長駄文館・・・雪化粧の朝為り。

　　　　　　　　　　　　　　　　　雪化粧の朝為り。（12/23/19）
　昨日の天気予想がドンピッシャリと当たり、夜の雨から雪と成って、朝は雪帽子の庭で在る。夢での笑い転げの自分の声で目が覚めた朝で在り、独り生活で良かったと、胸を撫で下ろした次第で在る。

　真面目な妖怪様が居たら、とうとう私の介護疲れで、気が触れたかと落涙した事だろうし、身族は悲嘆の内に家族会議をして、『精神病棟送り』を決定するので在ろう。

　中学の同級会では音信不通ながら、何かと話題に為るN・Mの夢で在る。50年振りの生きて居たかの紅顔の面影も無く、三次会はスケベ親父の顔付で女遊びに同行する事と相成った。キァキァと煩い隣部屋で在るから、『好い歳かっぱらって、静かにせんかい。馬鹿垂れが』とドアを開ければ、Nの野郎は全裸で粗摩羅をおっ立てて、嬉々として女を追いかけ回して居る。

　聞けば、体が小さく気弱だったから、女族からからかわれて逃げ回って居た学校時代の反動で、逃げる女を後から強襲するのが『性癖』と為って仕舞ったとの由。

　左様で御座るか・・・。トラウマを克服して、吾が性癖を『確立』するとは見上げた根性で在る。チップを弾んでの合意行為なので在るから、私の出る幕は無い。これも人間成長の一つなのだろう。いやはや、Nと比べれば、一切進歩の無い吾が身で在る。

　朝焼けに雪の滴りが始まって居る。8時に成ったら、庭樹の雪払いをしてから、朝飯の用意をすると致そう。雨からの雪で、道路には雪が残らず通勤の車音は通常音で在る。

　長靴に軍手、竹箒で雪落としをすると、身体にエンジンが掛かって来た。切り枝ゴミの口をガムテープで閉じて、ヨッコラショでゴミ出しをして来ると、真っ白に続く河川敷で在る。

　長靴を履いて居るから、童心に還って新雪の踏み締めの気持ちの好さを味わって来るべしで、本日は朝散歩とする。

　白銀のギュ、ギュの踏み締めは、懐かしさの気持ち好さで在る。犬散歩の踏み締めが一列在る物の、後は処女雪の河川敷で在る。満月の様な太陽が、薄い灰色の空に浮かんで居る。里山の東山系は濃淡の墨絵の様で在る。

　S橋上には雪だるまが作って在る。腕にはサツキを施し、帽子、目鼻口も上手く出来て居る。子供の作では無く、明らかに大人の作で在る。早朝の雪だるま作りとは、風流人も居られる様で在る。

　人間の足跡の無い所にも、動物の足跡で在る。猫の足跡が相当なのだろうが、想像としては、狸、ハクビシンとして、妄想力の涵養とする。川面をズンドウのカワガラスが一羽飛んで行く。若しかしたら、カワセミとの遭遇が在るかも知れないと、期待するが駄目で在った。

　朝散歩をして戻って来ると、ゴミ出し後のお向かいさんの雪見姿で在る。例の如くポケットからチョコレートを二つ出して呉れる。ご近所さん立ち話をして居ると、今度は斜向かいさんのゴミ出しで、暫しの世間話のお付き合いとする。

　朝飯を食べて、食器洗いと米研ぎをして沢庵を切って来ての小部屋でのお茶飲みとする。十時とも成れば、薄い青空が広がって来て、廊下には陽の差しで在る。この分で行けば、雪は今日中に溶けて無く成る事だろう。植物達にも、好いお湿りの段で在る。昨日の続きは雪の濡れで在るから、後日に先送りとして、朝散歩もして来た次第で在るから、本日は日差しの好さに余裕の一日で在る。台所遊びとして、シチューでも仕込んで置くと致そうか。へへへ。