長駄文館・・・寒風向かい風に、

　　　　　　　　　　　　　　寒風向かい風に、ペダル漕ぎをして来る為り。（2/6/22）
　おやおや、電池切れで時計が止まって居るか・・・。カーテンを開けたり、障子を開けたりして、自転車を出せば、どの時計も同じ時刻を差して居る。左様で在るか、適当な時間帯で寝た心算が、如何やら観入ったり、聴き入ったりで、相当な夜更かしをして居たのだろう。いやはや、毎日が日曜日の独り暮らしと為ると、知らず知らずの内に自分でも意識しないで好きな物に付き合って仕舞う物で在る。

　市川雷蔵さんの陸軍中野学校５を観た後、殺し屋シリーズを観ると成田三樹夫さんが共演して居るので、続けて見て仕舞い、その後は子守唄で江戸川乱歩さんの朗読物をノートパソコンのデイスプレーを閉じて聴いて居たのだが、小説の舞台が信州の鄙びた古い一軒だけの旅館と云うので、松本郊外の扉温泉かな？などと聴き進めて居た。現役の警視庁刑事と泊まり客の探偵小説好きの二人の１０年前に名古屋で起こった殺人事件の回想話に成って行く。現役刑事はその当時、駆け出しの名古屋刑事で事件を担当して、複雑怪奇な硫酸殺人事件の巧妙なトリックを指紋から、被害者が殺人者の断定解決をした本人なので在る。

　乱歩さんの小説は猟奇がった事件に対する鋭利な論証形式を採って居るから、その怜悧な推理の進めに特徴が在る。所謂、人情味の薄さが、その特徴とも思える次第で、私としては、鬼平犯科帳作品を好む。それでも、文体に慣れて来ると、偶には聴いて見たいの魅力が在る作品連で在る。

　逆転の大ドンデン返しで、話は終了するのかなと聴きながら、これでは何か中途半端な感じで、モヤモヤ感が残る。聴き手が話し手に替わる探偵推理が始まる。

★そうだろう、そうだろう、そう来なくちゃ、要所要所の伏線張りが生きて来ませんがね、睨んだ通りの死んだ筈だよお富さんの起承転結出の納得で、最後まで聴き入っての夜更かしの就寝で在った。時計は見なかったが、目覚めの時から換算して、４時台での就寝と思われる。

　天気予報通りで寒いこと夥しい。メジロ夫婦の姿に、気は心の煮リンゴと、そのシロップを餌入れに入れて、廊下の上がり石の上に置いて遣る。寒雀達に巻き餌をして朝飯とする。風呂に浸かってのラジオ聴きをした後は、身体の暖った処で、自転車でコスコまで日用品の買い忘れ補充をして来る。寒さ防止にマスクをして来たが、空気の冷たさには参って仕舞った。
　
　それでも寒い寒いと、コタツ住人ばかりして居ては、気が委縮するばかりで在る。酒は嗜まない口で在るから、二日酔いの向かい酒の効果は疑問視される次第では在るが、寒さに向かい風のペダル漕ぎも、確かに其れなりのガッツ気分と為る物で在る。

　３時を回る頃とも成れば、細かな雪の舞いと成って来た。ペダル漕ぎ中は東も西のお山は吹雪いて御座るの態で在ったが、お山の吹雪が里に下りて来た模様で在る。

　洗濯物には生憎の影響は出ようが、歯磨き、石鹸、キビ砂糖、味噌、高野豆腐、駄菓子類も買って来て置いたから、正解と云う物で在ろうか。豆も柔らかく炊けた次第で在るから、タッパ容器に収納してＯＫと致そう。
　後はアリバイ工作で頁進めをして置けば、それなりの脳軟化症の抑えとも為ろう。意志薄弱者には日課習慣と為ったマンネリに没して日を送るのが、一番楽な生活とも為るから不思議な物で在る。

　若い頃はエネルギーが有り余って、じっとしては居られない性質では在ったが、歳を取れば『老躯に合わせたライフスタイル』が身に着いて来る物らしい。お役御免の生き方を自己観察して居ると、『変化して行く自分に、気付く事が分かって来る』と云う事なのかも知れない。観察対象の中に自己観察を置く事は、結構面白い物でも在る。アハハ。