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夢奇譚第30部・・・アマゾネス慰問団

                    夢奇譚第30部・・・アマゾネス慰問団

 さてさて・・・星空の満月だった筈だが、未だ暗い。大分寝た筈だが・・・、夢を見て居た。『何時だ?』・・・ 明かりを付けて見ると、未だ三時で在る。腹が空いて居る。お菓子を摘んで、眠れそうも無いから、二畳小部屋に入ってインスタントコーヒーにコンデンスミルクを垂らして、丑三つ時のPCを開く。

 そろそろ『夢奇譚を打って見ようか』のモヤモヤが、頭の片隅に在った次第では在るが、今度は『節目の30話』にも為る事だし、これはと云う発想も浮かばず、日々の長駄文を重ねて居た次第で在った。この処、何やかやと『新しい交流』が生じて、それなりの目一杯の日々に埋没して居た訳で在る。

 頭の一隅に在る新作に向けての縛りが、潜在意識に作用して『催促夢』が登場した。心理分析をすれば、そんな処だろうと思われる。

 何事も『千里の道も一歩から』、『思ったが吉日』の喩えも在る。PCに題名を付けずに『夢奇譚第30部…』と打ち込んで、幾ばくかの文字入れをして置けば、真面目なA型気質で在る。追々と物語は進行して行くと云うのが、私の経験値とする処で在る。そんな次第で、『丑三つ時の目覚め』を誘因として、PCに足跡を残して置こうと起きた次第なので在る。いやはや、丸で生真面目さを絵に描いた様な性格で在る。

                           ★★★★
 <その1>
 本日も朝日が訪れて、私は日常をスタートさせる。四畳半、二畳小部屋の遮光カーテンを開けて、窓、廊下のサッシを全開放させて、家の空気の総入れ替え&掃き掃除をして庭に出る。専ら魚派の食卓では在るが、週に一度位は肉が食べたく為るのが、ロートルと云えども『現代人の胃袋』で在る。
 魚と違って、肉は腹持ちが好いから、然程の空腹感も無いし、些か、食事時間にはまだ時間が在る。朝のアイドリングに、ジョロ散水をして回り、目に付いた雑草を抜いたりしての時間調整の後に、あっさり系で軽く朝飯を済ます。

 今年は、我が家始まって以来の『野苺大豊作』で在る。朝のジョロ散水の施水も乾いて、苺群には『本日も採取せよ』の赤い実が、続々と顔を覗かせて居る。蔓無しインゲンにも花が付いて来たし、苗植えキュウリも、もう一伸びでフェンスに先が届くまでに成長して来て、待望の黄花も付いて来た。芍薬の落花を剪定鋏でカットし、株の緑の茂みにして来季の成長に養分を回して遣る。

 長袖シャツに帽子を被って、この処の日課・野苺採取を始めて居ると、土手からドヤドヤとロシアン・アマゾネスの一団が、入って来た。日常生活では青天の霹靂(へきれき)の珍入では在るが、私も夢奇譚の住人で在る。白人女達特有の派手なスキンシップを浴びて、歳甲斐も無く有頂天の様で在る。ニャハハ!!

「オゥ、アナタ、好い事してますね~。私達にも手伝わせて下さ~い。」
「お客さんだから、好いよ。狭い場所だ。勝手知ったる家だ。入って、自分達でコーヒーでもしてろよ。」
「お願いします。ロシアでは、ガーデン・プランテーションは『リツチな証拠』で~す。」
「団地アパートには、広場は在っても庭は有りません。それは、アナタも知ってるでしょ。」

 ロシアは、旧共産国で在る。都市部の住宅は団地方式で在るから、当然に個人所有の庭など無い。共産党ソビエトが崩壊し、自由化に成って金持ちは郊外に農地を持って、週末には作物を育てる事が一般的の様で在る。
 ロシア極東の玄関口・ウラジオストク空港から、一時間前後の市街地までの広々とした大地には、そんな農地を持った家族が、ナイスバディに『ビキニスタイル』で農作業をする光景に出食すので、日本人は面喰って仕舞うので在る。

「おう、そうかい。じぁ一緒にするか。でもなぁ~、そんなデカイ尻が、三つも並んだんじゃ、ロシアン女臭(めしゅう)に『酸欠』を起こしちゃうから、苺も家の回りに分散してるから、別れて遣ろうじゃないか。」

「フン、アナタ、ナニをカッコ付けてますか。言ってる事と、思ってる事、違うでしょ!!」
「ウソは、ドロボーの始まりでしょ。『正直が一番』って、言ってるでしょ。スケベちゃん。」
「ダーリンは、私達のビックヒップ大好きでしょ。無理しなくてもOKで~す。ホラ、鼻で深呼吸しなさいよ。ホラホラ、アハハ!!」

 一人で居れば、三人とも周囲の目を集めて、美人美形の澄まし顔で行き去るだけの、特有バリアを持った女達が、揃いも揃って幼児の様な悪ふざけを仕出かして来る。一番のお淑(しと)やか派のバルディナまでもが、豊満な肉厚ヒップを私の鼻先に揺さぶり掛けて来る始末で在る。

「コラッ、煩い。ご近所に聞こえるじゃないか。少しぁ、小さい声で話さんかい!!来て早々に、はしたない。コレ、尻を押し付けるな。控えよ、ロシアン・アマゾネス。」

「みんな、何か聞こえた?」
「ナン~にも、あそこのスズメが鳴いたんでしょ。」
「恥ずかしがって無いで、女日照りで、毒素が一杯溜まってたんでしょ。異界の女・ナターシャは、アナタの事は何でも知って居る~!!」

「私達の仲じゃ無いですか。さっきから、何を照れてるんですか? 遠慮は要らないでしょ。何時ものダーリンらしくな~い。カモンカモ~ン!!」

★何が、尻を震わせてカモンカモンじゃい。染み一つ無い奇麗な顔をして、『女日照りで、毒素が一杯溜まってたんでしょう』は、親しき仲にも、礼儀在りじゃろうが。

 クァ、この肉厚、Tバックの柔らかさが堪らん。『仄かな発酵チーズ。ヒップ臭い臭い、ああ、好い匂~い。』遺憾いかん・・・ナターシャの台詞では無いか。
 ッタク、これじゃ多勢に無勢、『ピンク信号、皆で渡れば、楽しい』で、弱い者苛めでは無いか。心優しきバルディナまで、尻を突き出してからに・・・、俺のナイーブさを、皆で面白がって居遣がる。ロシアは、何と『強圧・強国』で在る事か。安倍首相は、プーチン大統領に五分の勝負が出来るのだろうか・・・。

★ああ、美人美形揃いのロシアンアマゾネスの来宅は大歓迎だが、逗留期間は腰が持たぬ事に為りそうで在る。貯金を下して、陰でウナギを食べて精を付けるしか在るまい。とほほ・・・。

「アナタ、何をブツブツ考えてますか。『踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら、踊らなきゃ損損でしょ。』アナタ、私に教えて呉れたでしょ。アハハ。」
「そうよ。ダーリンは、私達三人の『共有物』でしょ。今回は大冒険は無しで、アットホームで行きましょうよ。」
「今回は、え~、私達は、『独り暮らし男の慰問チーム』で来ました。安心しなさい。充分サービスして上げますよ。おほほ。」

「馬鹿扱け。此処は俺の本拠地で、ご近所さんの手前も在らぁな。此処じゃ、俺は『品行方正な独居暮らし』の評判で通ってるんだ。白人毛唐の女軍団と普段の戯けなんか遣らかして居たら、『子育てを終えた静かな町』は、鵜の目、鷹の目で、後ろ指立てられてヒソヒソ噂話を立てられちゃうわな。」
「早口で、そんな難しい日本語で喋られたら、私達ロシアン・アマゾネスは解りませ~ん。」

「コリァ、悪ふざけは止めんか。ゲンコツ喰らわせるぞ。この馬鹿垂れ共が!!」

「皆はビジターでも、俺はレッキとした『此処の定住者』だぜや。郷に入ったら、郷に従って貰わなきゃ、俺の立場が無かんべよ。
ッタク、奇麗な顔して、子育てを終えた静かな町に『波紋』を起こさんで呉れや。」

★アマゾネス三人に『肉食性獣の盛り声』なんか出されたら、『引っ越す羽目』に為っちまうがな。猫の盛り時は、とっくに過ぎたわさ。いやはや、何と『旺盛な連中』で在る事か。先が思い遣られる夜で在る。

「オゥ、アナタ、相変わらずの『おバカさん』ねぇ~。まるで『学習能力が無い』ですねぇ~。私は異界の女・魔法使いのプロフェッサーでしょう。私達にはバリアが掛かって居るから、外部には一切見えないし、声も聞こえないのよ。何も問題無いです。何時もの夢奇譚の世界で『気兼ね無用』で~す。」

「その通り。『無駄な抵抗は、体に悪い。人間、正直に生きるべし。』って、ダーリン、何時も言ってるでしょう。ウナギのかば焼きを買って来て、食べなさい。それも、中国物は駄目ですよ。『国産』にしなさい。フフフ。」

  ★何が、国産ウナギのかば焼きじゃい。それじゃ、催促してるじゃないか。ッタク。

「へぇ~、そうかい。ナターシャは、確実に腕を上げてるんだ。そりぁ、お見それ致しましたわ。まぁ、そう云う事なら、特別法は一般法に優先するって法理で、『超常規定』が絶対優先だわな。奥ゆかしく論理表現すればそう為るが、相変わらずアマゾネス連は、『痴情・欲情最優先』って奴か。」

「ノーノー、それを云うのなら、『以心伝心のツーカーの年季重ね』でしょ。おほほ。」

 顔を合わせれば、こう云えば、こうで返すの『乱打戦』と為って仕舞う。即こんな感じで進んで仕舞う。それにしても、皆、日本語が上手く成ったもんだ。やっぱり、俺は教育上手なもんだわ。弟子達の成長にはビックラ扱いたぜや。イヒヒ。
然しながら、庭の狭い苺群で在る。大きな尻を並べて、白い手で搔き分けられて仕舞えば、葉蔭に恥じらう紅の小粒苺も直ぐ捕まえられて仕舞う。

 男には『諦観』が必要で在る。紅苺を見倣って、『まな板のコイ』で行くしか在るまい。ウナギのかば焼きは、絶対にこの連中には食わせないぞえ。俺だけ10人前喰って、全員『白マグロ』に料理して呉れるわ。ニャロメ!!

  忽ちにして、朝の収穫は何時もの倍で在る。台所でサッと水洗いをして、早速、鍋に掛ける。

 ナターシャとヤナは料理下手で在る。料理上手のバルディナに弱火鍋の番をして貰い、二人は私の軽で、24H営業のスーパーまで買い出しに行って来る。ロシアンマゾネスは、兎に角、『呑ん平』で在る。それに質より量の口で在るから、安物ウィスキー、焼酎、日本酒、ビールに肉食摘み、サラダを買って帰る。

 バルディナとジャム作りを交替して、フローリングの戯画廊六畳の座卓に宴席を支度する。私の44点の戯画の中には、5画の夢奇譚挿絵が入って居る。夢奇譚最新作の『東南アジア絶海の孤島にて』のタランチュラ対狩人蜂の集団決戦図が2ショットで額に収まって居る。そんな次第で、アマゾネス三人衆は、単純明快な絵に触発されて、夢奇譚談義で盛り上がって居る。

 飲み気、食い気の旺盛なアマゾネス達で在るから、買って来た物をテキパキと云うか大雑把に拡げて、胡坐を掻いての『乾杯』を始めて居る。今に始まった事では無いから、私としては『勝手に遣ってろ』の態で在る。最初から付き合って居たら、こんな呑ん平女達には付いて行けないのが、本音で在る。

 それでも、心優しいバルディナは時々見に来て、私と一緒に鍋をスプーンで掻き混ぜて呉れるし、グラスと摘みを持って、ヤナも見に来て呉れる。付き合いの一番長いウクライナのライオン娘・ナターシャは、今や異界の魔法使いプロフェッサーに昇格して居るから、生意気口を飛ばしに『味見役』に来る。

 とろ味を増して、小鍋は噴火口のゴボッ、ゴボッと噴き立つ最終段階に入って居る。そんな煮え立つの深紅色の先を、ナターシャはスプーンの先に掬って、湯気の匂いに高々とした鼻を近づけピクピク、フゥフゥと息を吹き掛けて味見をする。

「オゥ、好い匂~い。ナチュラルねぇ。オオ、これ、女の好きな酸味一杯~の味。新鮮で自然のティスト!! アナタ、クッキングの方も先生ねぇ。私達、アナタの事、大~好きです。これ、如何して、食べますか? 『一番美味しい食べ方』を教えて下さい。」

 何時もは小生意気な口を叩くが、根は茶目っ気の口で在る。二人は金髪で、ナターシャはストレートな黒髪と黒い瞳で在る。澄まし顔をして居れば、バリアの掛かった『貴族令嬢』の趣が在る。私は彼女の生意気口も茶目っ気の裏返しと受け取って居る。言葉に刺が感じられないし、怒ってもケロリとした性格で在る。
 詰まりは相性が好いから、お互いにズケズケ物を云い合う事が出来る。顔好し、頭好し、気持ち好し、生意気好しの四拍子揃った『好い女』で在る。

 ヨシ、これで好かろう。火を止めて、蓋をして冷ます。冷蔵庫の私用のジャムタッパとコンデンスミルクをナターシャに持たせて、私は食器棚から、デザート用のガラス容器とスプーンを持って、呑ん平仲間に加わる。
 先ずは缶ビールを開けて、一飲みしてから、タッパを開けてスプーンで苺形状の残った野苺ジャムをガラスの器に4杯掬って、コンデンスミルクをたっぷり掛ける。そして、彼女達の注目を集めて、徐(おもむろ)にゆっくり掻き混ぜ、アマゾネスの面々に試食させる。

 この一連の動作を、アマゾネス達は顎に手を掛け、斜に構えて、私の手元を(内心は興味津津の癖に)軽く頷いて、フンフンと冷静を装って見守って居る。

★へへへ、こう云った処が西洋白人女の生意気振りにして、可愛い処でも在る。私も歳の功で在るから、彼女達の自尊心を擽(くすぐ)りながらの『東洋サーバント』に徹する訳で在る。

 粒の形状を残した深紅色の冷えた野苺ジャムに、やや黄ばんだコンデンスミルクが、小さなスプーンで掻き込まれて行く。これが今年覚えた『逆も真為り』の一番美味い食し方にして、ナチュラル・スウィーツのデザートで在る。ジャムは苺の濃縮版、練乳はミルクの濃縮版の保存食で在る。苺とミルクと砂糖のベストマッチが、濃縮提示されるので在るから、当然の結果なので在る。これを称して、コロンブスの卵の喩えで在る。

    ★一応、付き合いの順を守って、ナターシャ⇒ヤナ⇒バルディナと味見をさせる。
 
甘い物に目が無いのが、『洋を問わぬ女族の舌』で在る。皆、目をクリクリとしてグーのサイン連発で在る。ギャハハ!!

「後は、其々に味の好みが在るだろうから、自由にブレンドして呉や。お代わりも自由だ。」

 日本人女の嗜みと云う物が無いのが、白人女の面白い処で在る。この食し方はTに教わった次第では在るが、これは私の手による高級和菓子の吊るし柿に匹敵する『野趣満載のスウィートデザート』とも云うべき逸品で在る。其々が自分のティストに合わせて作るデザートの口に入れる速さと云ったら、真に見事なる物が在る。

「ダーリン、こんな美味しい物は初めてです。ナチュラルピュアだから、後味がスッキリして居る。ワンダフルです。お土産に貰って行って好いでしょ。
 私一人じゃ、気が退けます。日本レストランの日本料理よりも、インパクトの在るスウィーツ、ストロベリー・デザート。絶対に、家族に食べさせて遣りたいです。」

「ああ、好いよ。ヤナの家族には、お婆ぁちゃん、ママさん、娘には世話に成ってるからな。今年は苺の大豊作でさ。『一蓮托生(いちれんたくしょう)』の俺とお前さん達の仲だから、遠慮無く持って行けや。」

「エッ、ナニソレ? 『一緒にコンチクショー』なら知ってるけど、イチレンコンチクショウ? 初めての言葉で~すねぇ。如何云う意味ですか? 教えて下さい。」
「ニエット、ニエット、ナターシャ、コンチクショウじゃなくて、タクショウよ。そうでしょ、ダーリン。」

★やっぱり異界の女・ナターシャは流石で在る。無理と間違えて、話を面白くさせて呉れる頭の回転は、ウクライナのライオン娘の『真骨頂』と云うより他無い。小生意気にライオン鼻を持ち上げて居るでは無いか。へへへ、可愛い女で在る。ギャハハ!!

「ナターシャは、相変わらず向学心が旺盛だな。大したもんだ。一蓮托生は、『全員が行動、運命を共にする』って意味だ。」

「オゥ、それ私達が何時も、夢奇譚でしてる事ですねぇ。イチレンタクショウ、私達、表意文字の漢字知りません。何か覚えるコツ無いですか? 好い言葉ですから、覚えて置きたい言葉です。私の異界の魔法レクチャーの小噺(こばなし)に使いたいです。」

「ブレイクタイムの小噺のアイディアは、グーだけどもさ。そう云われてもなぁ・・・『一緒にコンチクショーは正解』だしなあ。」
「アナタ、頭好いでしょ。考えて下さ~い!! お願いします。」
「そうだ、一連沢庵(イチレンタクワン)で覚えて置けや。そうそう、冷蔵庫に古沢庵の味噌漬けが在るから、出して遣るか。これぞ、日本人の味だからな。」

「オゥ、私、日本の漬け物・タクワン知ってる~。早く、持って来なさい。」

 母親介護で、自炊歴10年超で在るから、仰せに従って古沢庵の味噌漬けを、まな板でトントン切って来て、味の素を振って出す。

 先ずは高い鼻をピクピクさせて、皿のベッコウ色をした沢庵の臭いを嗅いで、指で摘んで食べるのが、西洋女の食仕方で在る。初めての味らしく、神妙な顔付で口をモグモグさせて居る。

        ★へへへ、これぞ白米文化の『粗食日本の伝統的田舎漬け』じゃがな。

「ふ~む。これ少し、塩辛いけど、砂糖もブレンドして在りますね。お酒に遭う味ね。好いじゃ無い。」
「そうね、日本の味噌汁も今ブームだしね。ダーダー、日本の味ね。悪くないわ。」

       ★左様で御座るか。日本の家庭の味が解れば、御の字で在る。

「さてと、沢庵漬けはさ、先ず大根を何本も縄で結わえて、軒下なんかに吊るして冬の天日干しから始める訳よ。日数を掛けて干す事で、大根の甘みを凝縮する工程だ。そしたら、木の樽に塩を塗して何層も糠漬けして行くんだわ。今はプラスチックの容器だけどさ。仕上げは重石を掛けて、冬の寒い時期に低温発酵させて熟成させて食べる漬け物なんだわ。」

「オゥ、分かる分かる。アナタの言いたい事、好く解ります。全員が行動、運命を共にする。それ、大根を縄で結わえての一連干しで、一緒に樽に漬け込む。詰まりは運命を共にするの喩えですね。一緒にコンチクショーをグレードアップして、イチレンタクワン⇒イチレンタクショーですね。OK、私、完全に覚えました。コンチクショにタクワン、次がタクショウで、語感続きが面白い。これは受ける~。ブレイクタイムで、異界での魔法講義にも拝借しようっと。『日本語は奥が深~い』ですね。頭の訓練には、最高ですね。アハハ。」

「ダーリンは、何時も頭好いです。解説がとても上手。ザブトン3マイ!!」
「本当にダーリンと居ると、楽しいですね。ダーリンの絵が部屋一杯で、凄く楽しい絵ばかり。アナタ、やっぱり凄い人です。離れて居るから、投げキッス三連発ですね。オホホ。」

「ダーリンは、何時も私達の好い先生です。とても、話が上手。とても、面白い話をして呉れる。料理も上手!! 日本人、最高です。私はロシアでも、アナタの事を友達に自慢してますよ。」
「でも、ヤナ、こうこれ以上の共有は駄目よ。分かってるでしょ。」

「オゥ、勿論。美味しい物は少人数で味わって食べるのが、長持ちのコツ。大丈夫よ。ちゃんと、勿体無いと長持ちのコツは、心得て居るから。おほほ。」

★勿体無いと長持ちのコツとは、ヤナは流石に核心を掴んで居る。男を顎で使うボスの娘で在る。それで居て、威張らない処が大した女なので在る。

「せっかく、こうして皆、集まったのに、今回は冒険無いんですか? 勿体無い。ナターシャの魔法で、如何にか為らないの? 異界のプロフェツサーなんでしょ。お願いよ。」

「それは、無理よ。私の管轄違いだもの。私は唯、ダーリンのアイディアのお手伝いをするだけなのよ。何も無い物には、幾ら異界の女でも、それは無理なのよ。」

「そうか、無理な物は無理か・・・。」
「それじゃ、ダーリンが、何か考え無くちゃね。お願いします。」

 総じて気の合った者達の会話は楽しい物で在る。会話の基本はキャチボールから始まる。最初は相手の受け取り易い所へ、ストレートを軽く投げる。そしてお互いの技量が向上して来るとスピード、球種、場所の緩急を付けて遊び合う。
 卓上のコートでは卓球、バトミントン、テニスも、ネットとコートをルールにラリーの応戦と成り、撃ち込み、返しで初級・中級・上級者のゲームと成る。シングルも在ればダブルも在って、バリエーションは多岐に亘るから、面白い言葉遊びと為る次第で在る。

 尤も、リベートなどと云う技巧に走った論戦ラリーなどと云う物が在るらしいが、それは為にする言論ラリーで在るから、私としては興味の無い処で在る。心の無い言葉のラリーなど、『人間の肥し』に為ろう訳が在るまい。へへへ。

 振り返れば、夢奇譚冒険の七つ道具を背負って、腰に睾丸鞭を携帯しての日本人親父と美女美形のロシアンアマゾネスの一蓮托生チームの道行きは、実に楽しい物で在り続けた。アハハ!!
 
 <その2>
 ロートルの朝は早い。これが若い時分の肉弾戦の後の豪眠、黄色の太陽にふら付く足取りと為らないのが、哀しいかな『歳』と云う物で在る。正体無く爆睡・泥睡出来るのも若さと云う体力が在ってこその芸当で在る。

 女臭の沈泥する部屋では白い裸族様達が、白マグロの態で爆睡をして居る。これも若さと云う物で在る。『睡眠は美の根源』で在るそうな。振り返れば、私にもそんな若い時期が在った物で在る。多愛無き爆睡・泥睡と賛美するしか在るまい。へへへ。

                  さて、私は習慣の朝のマイタイムとする。
未だ太陽の昇らない朝は、この時季は何も無ければ清々しい空気に包まれて居るのだが、何しろ多勢に無勢の『鰻の追っ付け刃』で在る。鬼の目覚める前の『女臭除去』をして置かねば、一日がスタートしないと云う物で在る。幾ら異界女の『効き薬』が塗されて居ても、生身の人間で在る。頭に乗ったら忽ちにして『腎虚』にさせられて、異界へ吸引されて仕舞う次第で在る。異界は無限の世界にして、サーバント契約などさせられたら、現世とは永久の別れで在る。

          ドスケベ女達に解体されて、真っ直ぐ歩けんですわ。ッタクが!!
流石に日課のジョロ散水の気力・体力も消沈の沙汰では在るが、庭の朝の佇まいは優しい。芽出しから幼葉を並べた便利菜、ホーレンソーの小さな家庭菜園の小雑草を抜いたり、小石を拾ったりの朝のアイドリングをして居ると、バルディナが来た。

「起きたのかい。お早うさん。二人は、轟々と鼾掻いてるだろう。」
「2人とも、飲み過ぎて頭がズキンズキン痛いって言ってる。当分、駄目でしよう。うふふ。」

 控え目で心優しいバルディナは、彼女の化身として冬の半年間を同居して居たジョービタキのバルディナの本尊様で在る。

「私の目・バルディナが北帰行して居る時は、ダーリンはこんな生活をしてたんですか? 益々、ダーリンらしいわね。フフフ。」

「ああ、そうだよ。こんな事をして居ると、自然と小さな物に目が行ったりしてさ、色んな事に気付かされたり、世の中の事、趣味の世界史の事から得た物と、ニュースを比較したりで、内向性の俺には、性に合ったマイタイムで、退屈はしないもんよ。アハハ。」

「そうね。どちらかと云うば、私もそのタイプだから。でも、ダーリンは活動的な肉体派の面も強いし、精神と身体のバランスと云うか、両面を持って居るから、魅力に溢れた人よ。」

「そうでも無いさ。人間だから、一方に偏(かたよ)るよりも、広く浅くのバランスが在った方が、頭にも体にも好いって事だろうよ。人間、偏っちゃ面白味に欠けるって事だろうね。アハハ。」

「そう、人間は面白い方が楽しい。苺はどうかしら? ラッキー、まだ有るわよ。」
「どれどれ。小さいけど、採って見るか。日本じゃ、『残り物には福が在る』って云うからな。」

「どう云う意味?」
「福が在るって事だから、四つ葉のクローバーって処かな?」
「そう。だったら、是非とも息子にダーリンの野苺ジャムを食べさせて遣りたい。二人が寝て居る間に、シメシメで作って、私の分を確保して置かなくちゃ。好いでしょ。おほほ。」
「了解!! じぁ、一緒に遣るか。内緒内緒でな。アハハ。」

 内緒仕事を終えて、2人でモーニングコーヒーをしながら台所仕事をして居ると、大欠伸をしながら、ナターシャとヤナが全裸の儘で、『お早うさん、頭が痛~い。』と遣って来た。毎度の事で在る。

「女臭い。シャワー浴びて来いや。朝はパンで好かろう。」
「アリガトさんねぇ~。二人はしたのね。ヤナ一緒にシャワーしよう。」
「ダーリン、歯ブラシ、剃刀もお願いします。」
「あいよ、分かった。俺の剃刀は、使うなよ。」

        ★へへ、裸族のヘアのお手入れは、下の毛にも及ぶ処が、面白い。
 因みにナターシャは全剃り派、ヤナは中心を棒状残し派、バルディナはこじんまりとデルタ整形派で在る。プライベート空間に在っては、ロシア女族は裸族の風習が在るらしい。裸族様に在っては、下腹部のヘアは彼女達為り気に『秘密の園を演出する嗜み』の思いなのだろう。これも異文化圏の為せる処と云えようか。
 私は妄想癖の延長線で物を考えるタイプで在るからして、ヨーロッパ女族の寝室での裸族振りとヨーロッパ女族のコルセット・ハイヒール文化との関連性を妄想して、社交の窮屈さからの解放で、寝室裸族への先祖返りと観て居る次第で在る。

      シャワーでスッキリして来た2人が、私に質問をする。
「アナタ、今日は何しますか? 教えて下さい。」
「今回は、冒険無しの慰問団って事だから、これから、俺の隠し湯で日帰り行楽だ。」
「オゥ、隠し~湯!! ロマンティック。それで、私達は何を用意しますか?」
「風呂の用意と着替え、途中で適当に食材を買って行くさ。」
「OK、七つ道具は、一応持って行きましょ。大した重さでも無いから。」

 朝はハムエッグを焼いて、野苺ジャム、バター、ミルクの簡単なパン食で済ます。そんな事でスタートした二日目で在る。

 場所は『第27部の夏の白昼夢』の世界で在る。我々一行にはバリアが掛かる透明人間の一行で在るから、リュックと買い物袋を持って、男湯の奥の洞窟に入る。勿論、私は品行方正なサーバントで在るから、自動販売機の入浴券を人数分、不在の番台に置いて来る。

「オゥ、ダーリン、これ冒険でしょ。こうで無くちゃ、面白味に欠け~る。」

 狭く暗い洞窟を抜ければ、眼前に松の木を生やして天にそそり立つ巨大岩で在る。初夏の太陽が燦々と降り注ぐ山間の原生林をバックに、清流のせせらぎと、盛んな野鳥達の囀り、山蝉時雨れ、連山頭上には青天を凌駕する入道雲の湧き上がりで在る。初夏の暑い太陽と、青葉なす深山の濃い空気は、スケール感充分で在る。

「ウァ~オ、深山の絶景じゃ無い!! ロシアには無い世界!!」
「日本は地図では小さな国なのに、山のスケール感はビューテイフルで凄い!!」
「好いですねぇ。人が邪魔をして居ない、これは100%のピュアな自然!!」

「好いだろう。日本語じゃ深山幽谷の世界って云う訳さ。小道が在るから、行こうか。」

 5分も歩けば、大岩の背後に回れる。小中時代の同級生にして霊界の新入りのO子と造った隠し湯が在り、其処を抜けて原生林の小道を進めば、簡単な小屋、畑も作られて居る。畑には季節の野菜が育って居るから、トマト、キュウリも生って居る。夢奇譚メンバーは野性派で在る。トマト、キュウリを、其々が捥いで口にする。捥ぎ立が不味かろう訳が無い。口をモグモグさせて言う。

「ダーリンは、一体、如何云う生活をしてるんですか。信じられない。」

「毎日が日曜日だから、こんな事をして遊んで居るのさ。悪くは無いだろう。適度な肉体労働は、生きるには『必要不可欠な事』だからさ。人付き合いは子供の頃から、余り好きじゃ無くて、独りで自然の中に居る事が好きだった。家族、社会からお役御免に成って、漸く気の向くままの生活をしてるって訳さ。ファーブルの昆虫記、シートンの動物記、世界史の読経でさ。まぁ、独り生活も元気な内は、悪くは無いもんさ。」

「ウンウン、成程ねぇ。ダーリンのスタイル分かって居るから、家の庭に、別荘の畑ね。これは似合ってるライフスタイルよね。」
「それに、口は煩いけど、ベストコンビの異界の女・ナターシャの私が付いて居るから、こんな自由が叶えられるのよ。アナタ、ワカッテルでしょ。」

「オゥ、ナタシャ、アナタ、日本人の私を好きに為った。私のスタイルに合わせるのトーゼンでしょ。」

「何よ、それ。私の言葉盗むのは、ダメでしょ。ドロボーでしょ。今度も、アナタ、私の『赤柄の睾丸鞭』欲しいですか!!」

「アハハ。何時も、二人は好いコンビですね~。」
「当然よ。私達の関係が一番長い。ヤナもバルディナもアナタも、私にどんなに感謝しても、足りないのよ。解ってるでしょ。アハハ。」
「勿論。これ、一蓮托生のベストチームよ。おほほ。」
「そうそう、俺達のボスは、アナタ、ナターシャ様だからな。一同、異界女様に、気を付け、敬礼!!」

「アナタ、何時も口ばかりで、ゴマス~リ。影のボスは、何時もアナタでしょ。皆、分かってる。皆、アナタの大ファンよ。さぁ~、時間は一杯あります。何しますか? 教えて下さ~い。」

 御下命が下ったから、御一行を草庵に案内する。其処で持って来た物を置いて、腰に睾丸鞭、サバイバルナイフを差して、サデ網、水面、ヤス、魚籠を持って、清流に入る。川には缶ビール、トマト、キュウリを漬けて置く。ロシアン・アマゾネス一行は、見た目と違って、ワイルド派で在る。喉が乾けば清流の水を、手で掬って飲む連中で在る。彼女達は、頭デッカチな潔癖性に特化した現代一部女の軟さとは、対極に居る頼もしい肉体派ロシアン・アマゾネス団で在る。

「前回の南アジアの川遊びも好かったけど、此処は山国信州の初夏の清流だ。日本には日本の楽しみ方が在る。川にはイワナ、ヤマメ、カジカが居る。依って、今日の野外講義は魚採りとする。皆、童心に帰って川と戯れるべしだ。」

  パチパチと目を輝かせるワイルド派から拍手を貰って、サーバントとしては『へへへ』の段で在る。

「サマータイムの川遊び、面白そう~!! 折角の日本の太陽だから、焼いて行きましょう。私が虫除け、怪我除けの魔法を掛けて上げるから、アナタも裸に為りなさ~い。」

        アマゾネス連は、元を糺せば、裸族で在る。さっさと全裸に成って平然として居る。

「アナタ一人だけ、パンツを履いてるのは、変でしょ。脱ぎなさいよ。濡れずに済むのよ。合理的で楽でしょ。頭が良いのに、馬鹿ね!!」
「お前さん達は、一物を持った経験が無いから、解らんだろうが、ブラブラしてたんじゃ、収まりが悪いのさ。お前さん達だって、走ればオッパイが、プルンプルン8の字に揺れて、収まりが悪いだろうに。」

「OK、そう云う事なら、分かる。男と女の肉体的違いね。」
「男は、変な物付けてるわね。」
「でも、大きくしたら、ブラ付かないのにね。皆で、マジック・ハンドしましょうか。好いわよ。」

「こら、男のシンボルに手を出すな。真面目に遣らんかい。好いかい。魚採りには何種類か在って、このサデ網を構えて、回りから追い込む獲り方と、石、岩の隙間に隠れて居るのを、こう遣って手を入れて、ニガミ取りする方法、次に、この水面、水中メガネで川の中を覗いて、底に居るカジカを狙いを定めて、このヤスで突き刺して獲る方法が在る。以上だ。」

「OK、網、にがむ、刺すの三つね。した事が無いから、面白そう~!! ファイトファイト!!ですねぇ~。」

「そうだ。これから、俺が模範を示す。川の流れを見て、抉(えぐ)れた側面の岩、石の影、底部に魚は集まって居るから、下の方に、サデ網を入れて、2m弱の範囲を三人が囲い込むようにして、気合いを入れて一気に荒々しく追い込む。昼のメーンが掛かってるから、総員頑張れ。」

「サデ網を構えた者は、ドンと魚が網に当たるから、間髪を入れずに網を引き上げる。これが『キッチングの醍醐味』なのさ。バシヤバシャ、ドン、アップ、網に魚鱗踊るナイスキャチの瞬間だ。」

「次が、川を荒らされて、警戒心の強い渓流魚達は、安全な石の下、岩の下に隠れる。其処を手探りしてニガミ獲る。これは、逃げ様とする魚と、引っぱり出す人間の根気、知恵比べだ。素手では滑るから、軍手を嵌めてするのがコツだ。確実なのは、魚の口に指を入れて、引きずり出す。だから、魚と人間の『我慢比べ、知恵比べ』に成る訳さ。」

「アイアイサー、我慢と知恵ね。了解!!」

「そして、水面を覗いてのカジカ突きは、水中の神秘の世界を覗き込む未知なる童心への回帰と獲物を見付ける『狩人の気持ち』だ。そして底に居るカジカにソォ~と近付いて、ヤスを構えて、カジカの頭、腹目掛けて、突き刺すヤスの一撃が何ともスリルが在るんだわ。躊躇(ためら)うと、カジカがスーと逃げちゃうからな。狙いとタイミングって事さ。余裕が在れば、回りに溶け込もうとするカジカの擬色も観察出来る。水中ファーブル観察も楽しむべしだ。それも、頭の訓練の一つだ。」

「オゥ、毎度の事ながら、先生のグッド・レクチャですねぇ。前回のホワイトビーチでの軍事訓練を思い出すわね。面白~い。さぁ~、遣りましょ。」

 川相、流れを見て、サデ網の設置場所と、張り方を説明する。私が先ず構えて、三人を配置させる。上には体力が在って運動神経が抜群のヤナ、側面の上には、ナターシャ、下にはバルディナを配して、陣形を作る。

「用意は好いか。」
「勿論~!!」

「ヨッシャ、掛かれ~!!」

    ウァ~オ、ハッハッ、バシャバシャ、バシャバシャ、バシャバシャ!!
          ソリァ、もっと遣らんかい、ガンガン遣れ~!!
           ウア~オ、バシャバシャ、バシャバシャ!!

 初夏の清流に、荒々しい飛沫とロシアン・アマゾネスの咆哮が炸裂する。水中生物にとっては、突如の『動天動地』で在る。黒い魚影が幾つも走る。ドドン!!
ホイ、キャツチ!!

       サデ網の中に跳ね上がるイワナとヤマメの魚体の重さで在る。

「ウァ~オ!! 凄い!! 大成功!!」

 網に踊る大イワナ、大ヤマメを両手で掴んで、魚籠に入れる。蓋をして、流れの脇に置く。暴れで、魚籠が揺れて居る。狩りは、興奮させる。アマゾネス随一の運動能力を持つヤナが、手を上げてサデ網を取っての挑戦で在る。

 場所を選んで、網の下から逃げられない様に、確りと川底にフィットさせる。追い込みサデ網漁は、下から上に移動して行く。魚達は当然の事ながら、上へ上へ追い立てられて、上の石・岩の下、隙間に逃げ込む。そんな経緯で、逃げの集中する辺りの石・岩の下、隙間を辿るニガみ獲りに移る訳で在る。

「好いかい、ドンと来たら、間髪を入れずに一気上げだ。要領が解ったら、ヤナの事だ。魚影の走りを見て、ナイス・フィシュ・キヤッチング出来る筈だ。」
「大丈夫。任せなさい。一発勝負ね。ワクワクする~!!」

 ヤナは格闘・戦闘シーンの吾が相棒さんで在る。今度は私が上流に回って、勢子(せこ=追い立て)役で在る。腰を落としてキャチャー役のヤナが、深呼吸をして神経を集中させる。彼女は学生の頃は、ロシアのお家芸・バレーボールに没頭して居たと云うスポーツウーマンで在る。

             そして、『カモン、ゴー!!ファイト。』の一声で在る。

 勢子の足並みも揃って、初夏の太陽が燦々と降り注ぐ清流に、飛沫と掛け声が反響する。

 ヤツ!!の気合いと共に差し上げられたサデ網の中には、大物ヤマメとイワナが躍った。得意満面のヤナが、ワァ~オの雄叫びとガッツポーズで在る。

 次にナターシャ、バルディナがキャッチッングのタイミングが合わずに、小物に終わった。一応、本日昼のメーン食材で在るから、ヤナをキャッチャー役に私が背子役をして、一人2尾づつの大物を確保して、次のニガミ獲りに入る。

 然しながら、初体験のアマゾネス連には、荷が重過ぎた様で在る。其処で知恵を貸して、サデ網を構えて穴に棒を入れての追い出し漁とした次第で在る。負けん気の強いヤナは、大きな尻の割れ目を此方に見せて、足搔いては居るのだが・・・。まぁ、私とヤナとは年季が違うから、仕方の無い次第で在る。ギャハハ。

「おい、ヤナさんよ。お前さんの白い割れ目を水に漬けて、フリフリ誘った方が、魚が入って来るんじゃ無いか。」
と、からかったら、
「馬~鹿!!私のは、スモールよ!!」
「痛ぇ~。」
 即座に、石が飛んで来た!! お~、怖ぇ!! 美人さんの『鬼の顔』も、ぞっとするほど奇麗な物で在る。へへへ!!

 次の水面カジカ突きでは、何と心優しいおっとりタイプのバルディナが、抜群の収穫を上げて居るでは無いか。

 如何やら、水底のカジカも馬鹿では無い。殺気の強弱を敏感に掴み取って、ヤスの一撃を交わして居る様で在る。殺気の強弱が、数に現われている様子で在る。素人さん達に、そう易々とゲットされて仕舞ったら、私の立場が無く成ると云う物で在る。あはは。

      カジカの二度揚げの唐揚げは、今の御時世では高級魚の逸品で在る。

 初夏の清流との格闘は、充分な収穫量と、好い運動に成った。ずっしりと重い魚籠を下げて、草庵の昼に向かう。その途中で、初夏の山菜・タケノコを調達して行く。山国信州の筍は、正に『竹の子』で、棒状に伸びた物を食する。ロシアに筍食文化が在るのか否かは知らないが、30~50cmも伸びた竹の子を見て、皆、こんな物が食べれるのかと『怪訝(けげん)な顔』をして居る。無理も無い。

 道産子の私だって、それを食べる様に為ったのは、勤め人に成って、職場の人に貰ったのが最初で在った。地方の山菜とは、風土の中での食文化で在るから、元来がそう云う物なので在る。

 木立の中の日蔭に石を置いて、火を起こす。草庵にはちょっとした飯盒、鍋、フライパン、網の類は揃えて在る。飯を炊き、鉄板で焼きそばを焼いて、火の回りには串刺しの塩を塗したイワナ、ヤマメを立てる。
 アマゾネス達は、見た事も無い竹の子に関心が在る様なので、サバイバルナイフで、ザックリとカットして来た棒竹の子を皮を剥かずに、串刺し魚同様に、火の回りに立てて焼く。油のフライパンでカジカに片栗粉を絡めて、頭骨も食べれる様に二度揚げして行く。野菜は畑のキュウリ、トマト、食後のデザートは勿論、野苺ジャムとコンデンスミルクたっぷりのナチュラル・スウィートで在る。

                乾杯役は、異界の女・ナターシャで在る。

「今回は冒険が無かったけど、ロシアでは絶対に出来ない川遊びレクレーションが出来て、最高。ダーリンに聞くと、今回は夢奇譚の第30部との事です。
 これも節目のロシアン・アマゾネスの慰問団って事で、今後とも続くでしょう夢奇譚の私達の僅かばかりのエールと為った事でしょう。エヘン。アナタ、感謝しなさい。
 では、川で冷えた缶ビールで乾杯と行きましょう。その後は、川風呂に浸かって、日本の温泉を楽しみましょう。皆、起立!! 乾杯~!!」

 缶ビールを飲み干して、私はサーバント役で在る。焼きそば係をバルディナに任せて、カジカの唐揚げ役に徹する。日本の大衆食はラーメン、カレーライスに焼きそばが定番で在る。その中でも、手軽なのが焼きそばで在る。焼きそばに、スライスしたキュウリ、トマトにマヨネーズでアウトドアの前菜は充分で在る。

「オゥ、このカジカはコリコリして、癖が無くて美味しい。」
「本当。ルックスは悪くて、あんなにヌルヌルしてたのに、マヨネーズよりも、塩振ると、淡白で美味しい。私はクッキング下手だから、ダーリンを連れて帰りた~い。」

 美形美女達との野外食は、全てに弾んで絵に成る光景で在る。その内に飯盒もグラグラと沸騰して来たし、串刺しの魚達もジュウジュウと焼けて来た。皮を被った棒竹の子も外皮が黒く焼けて、中からしゅうしゅう湯気が立って来た。それを笊にとって、クッキング助手のバルディナと川に行って、水で冷やす。

「まだ熱いから気を付けろ。こう遣って、皮を剥いて冷やすんだ。」
「オウオゥ、熱い!! でも、剥くと奇麗で柔らかい。ちょっと味見します。ウンウン、大きなアスパラガス見たいな食感で、甘みが在ります。日本人は面白いですね~。」

★そりぁ、そうで在る。日本人は悠久の縄文一万数千年の昔から自然と共に狩猟採取をして、文明文化を孤島列島で営々と築き上げて来た『世界に類稀なる民族』なのでアリンスわね。
 第二次民族大移動の9C~11Cに掛けて、大河に展開したバイキング一派・スウェード人の末裔さん達のロシアさんとは、『歴史の厚み』が一桁、二桁が違うんで在りますぞえ。

 熱々の飯に熱々の焼き魚。採り立て竹の子の刺し身。総じて白人は猫舌で在る。白人美形美人達のアッチイチィの仕草、表情は普段の澄まし顔とは違ったリアクションで、これまた『滑稽さ』に富んで居て、尚更に可愛く映る次第で在る。イッヒッヒ!!ってな物で在る。

「このタケノコはコリコリして居て、ソフトな甘みが在ります。美味しい。柔らかい所は、アスパラガスの食感が在ります。ワサビ醤油より、私達にはマヨネーズの方が、好いわよ。」
「本当ね。美味しい。木の棒を食べるなんて、日本人は、余程食べる物が無い、可哀想と思って居たんだけど、流石に日本人は凄いわね。」
「そうね。ダーリンは私達の事を肉食女で、俺は上品な草食男って自慢してるけど、何か分かるわね。おほほ。」

 草庵で泊って行くのも好いが、4人では狭過ぎる。帰りに川風呂に入って帰るには、草庵管理者としては、片付けをして洗い物をして行かねば為らない。口先ではズケズケ勝手な事を言いって来ても、夢奇譚チームは、『一蓮托生のチーム力』で在る。終了と為るとテキパキと動いて、清掃、洗い物、収納をして呉れる。態度は生意気には見えても、流石に女達で在る。

              さて、御一行様を隠し湯・川湯に案内する。

 今回は、入浴文化の優れ物・垢擦りをプレゼント用に買って来た。シャワー文化の白人社会には、垢擦りは無い。背中の脂気は、液体ソープで撫でるだけでは、毛穴・汗腺はリフレッシュは叶わない次第で在る。

 美容に時間を掛けるヤナは、長い柄の付いたタワシを私に見せて、ロシア風蒸し風呂で、背中の垢擦りを見せて居た物で在る。そんな美容グッズよりも、日本の手拭状の垢擦りで背中全体をゴシゴシ遣った方が合理的だし、全身洗いにも使い勝手の好い風呂道具で在る。色の違った垢擦りを其々に渡して、私の洗い方を『サル真似』させる。これも、異文化交流の実践で在る。へへへ。

「オゥ、ザラザラして居て、好い刺激で~す。日本人は、トヨタ、パナソニック、スシ、ラーメンだけの国じゃありませんね。これ、グッド・グッズねぇ~。」

「ウンウン、それでも、私、バックが下手。これ難しい。アナタ、バックお願いします。」

 ナターシャの奴は、自分で前を洗いながら、背中を向けて私に『三助を遣れ』と命令して居る。何時もながら、小癪(こしゃく)なライオン娘で在る。まぁ、これもサーバントの仕事の内で在る。飯の炊き方を参考にして、始めユルユルでソフトタッチから始める。

「ああ、気持ち好~い!! バックを横にも遣って下さい。ウンウン、もっと強くでも好いですよ。」
「へへ、サイざんすか。こうですかな。こうですかな。」
「オゥ、それハード!! 痛~い!! ストップ!! アナタ、意地悪してる~!!」
「何を扱きぁがる。睾丸鞭の悶絶と比べたら、極楽じゃがな!! ほれ、如何じゃい如何じゃい。泣いて見ろや。ハハハ。」

 太陽の少ないロシア女の白肌は、柔肌で在る。大理石の様なキメの細かい白肌が朱に染まって、色気満載で在る。まぁ、私は戯けでは在るが、生憎サディストでは無い。後はタオルでソフト流しをして、終了とさせる。

「オゥ、アリガトさんねぇ~。気持ち好かった。」

 ナターシャが終われば、ヤナ、ヤナが終われば、バルディナと続き、最後はアマゾネス達に前・横・後ろから、アマゾネス湯女のお返しを頂戴しての隠し湯・川湯で在る。

「今は世界中、日本ブームです。日本の温泉旅館のお風呂大人気です。でも、これが本当の日本人の温泉の愉しみ方でしょ。私は、そう思います。日本は火山の国と聞いてます。山が一杯で小さな川が一杯。きっと此処見たいな川の温泉が一杯在って、日本人はずっとずっと昔から、こんな風に家族、友達、恋人とゆっくり、リラックスして楽しんで来たんでしょ。日本の文化は、奥が深~い。ワンダフルですね。」

「自然の温泉ね。そうそう、これアナタ、なんて言ってました。」
「隠し湯だ。秘密の湯。『シークレット』って事さ。」
「オゥ、シークレット。分かる~!! 仲間だけの、家族だけのシークレット。え~、そうそう『隠し~湯』 好い響きの言葉です。」
「隠し~湯、これ最高の場所。垢擦~りも最高。人間、ナチュラルが最高の贅沢ですねぇ~。これ、ダーリン、秘密にして置いて下さい。私達だけのシークレット・スポット。フフフ。」

「ダーリン、夢奇譚恒例の『ヒストリー・レクチャ』が無いと、やっぱり物足りないです。今日は、何教えて呉れますか? ロシアでは絶対に教えられない歴史の話、私達、何時も楽しみにしています。お願いします。」

                          ★★★★

 左様で在るか。白人美形美人のリクエストの御下命に従うのが、サーバントの務めでも在る。レクチャーする事は、私の勉強とも成る。好うゴザンす。へへへ。

「ビールの残りも在ったから、水に冷やして置けや。喉が乾いたら、喉を潤しながら、リラックスして聞くべしだ。此処は川の露天風呂だから、のぼせん様に浸かったり、出たりしてな。熱い所、ぬる目の所をチョイスして、体温調整は、自己責任で遣って呉れや。」

「OK、了解!! 先生、気持ち好く成ったら、此処でスリープして好いですか?」

「勿論。湯治(とうじ)と云って、日本には昔から、山に登って自炊しながら、湯に浸かって、病気・怪我の治療をする文化が在ったからな。湯治には当然、湯の横で寝るのも含まれて居る。レクチャーしても試験はせんから、日本の温泉文化を体験して行けば好いわさ。」

「オゥ、それを聞いて安心。ダーリンは何時も話が解って、最高~ですね。」

「こう遣って、アマゾネスの慰問を頂戴した訳だから、今日は日本とロシアの蜜月時代が在ったって話をしようか。」
「オゥ、それ好いですね。ロシアのプーチン、日本の安倍のプロジェクトがニュースに何度も在ります。ウラジオストクでも極東会義在りましたね。私は、ロシアと日本の協力を応援してます。」

 川湯世界史講義で在っても、国際時事問題の切り取りだけでは、思考の縦軸縦糸とは為らない。歴史は流れの把握が肝要で在る。古代の世界の海・地中海、古代から中世での西ヨーロッパ、東ヨーロッパの形成、其処で大きな影響を持ったイスラム世界、第二次民族移動と評される北のバイキングで北海に広がり、東のマジャール、アジャールの侵攻、十字軍遠征、モンゴルの侵攻、ルネッサンス・大航海時代・宗教戦争を経ての近代へ。
 産業革命に依り、世界の海は大西洋、インド洋へ世界の一体化、王権から国権に収斂されての植民地収奪の太平洋と繋がり、帝国主義時代へ。海が繋がり空が繋がって、第一次大戦、第二次大戦、東西冷戦、冷戦後の経済最優先化の下に於ける混沌の時代への幕明き・・・etcと、世界史の縦軸を雑駁に講義をする。

「英で起こった産業革命の世界進展に於いては、仏、独、米、日、露と続く訳で、露はその地勢的束縛からの脱出と云う事で、不凍港を得ようとして、黒海から地中海への出入り口を確保しようと、その当時『瀕死の病人』と云われたオスマン帝国との間で、戦争を繰り返したんだけど、欧州列国の干渉を受けて、バルカン半島から東方シフトをして、明治維新・廃藩置県・西南戦争を経て、殖産興業・富国強兵を成し遂げて、日清戦争に勝利した日本と朝鮮半島への勢力圏を争う形で、日露戦争が勃発した。

 その当時は東洋でも、清帝国の中国は、中東のオスマン帝国と同様に『眠れる獅子』なんて、云われて居たんだが、瀕死の重病人で、英仏独露日に寄って集っての蚕食状態だった訳よ。19Cは善い悪いは別にして、地球上を『弱肉強食の大砂塵』が吹き荒れて居た時代だった訳さ。
 時代を遡って、事の善悪を糾弾して見ても始まらない。歴史が提示して呉れる物を、現在に於いて未来に対して如何対処して行くかしか出来ないのが、『時間不遡及の理』って物ですわ。

 それを馬鹿の一つ覚え見たいに、『不可逆的解決』を日韓で合意したにも拘らず、政権が交代すれば、政府の合意よりも国民の合意が優先と抜かす『低能国家』が在るから、そんな国は『無視』するしか在るまいよ。

 処で、日露戦争後の話なんだけどさ。1900年の義和団の鎮圧の功績で、日本は1902に日英同盟を結んで居たんだけど、欧州大陸じぁ海洋国の英と大陸国の仏は、百年戦争、ナポレオン戦争と同様に『敵対国同士』だった。
 一方、仏と露は、意外と味方に成る事が多かった。金貸し資本主義の仏のロスチャイルド家が、ロシアのシベリア鉄道を援助して呉れたりなんかして、何かと対英政策の一翼として居た風が散見される訳よ。英仏の百年戦争のわだかまりが根底には在るんだろうけど、言語的に云うと仏語はラテン語系で、英語はゲルマン語系だと云うから、成程と思うじゃないか。歴史の行間を読んだり推理するのも、大人の趣味の世界史の愉しみの一つなんだけどさ。

 話しを戻すとさ、日仏協商が結ばれると、仏との絡みで日露協商が纏まって、それが日本が入る事で、『日英仏露』の関係が成立しちゃったんだな。そんな諸々でロシア革命時には、日本はシベリア出兵もしたしさ。

 まぁ、日英仏露の目的は、『アジアに於ける列強の縄張り確保協定』見たいなもんだと思うだけどさ。今の時代から遡れば、酷い話でさ。欧州じゃ、ポーランドが勝手に、オーストリア、プロイセン(独)、ロシアに三分割されて一時、消滅した歴史も在るしさ。
 太平洋を越えてハワイ合併、米西戦争の戦利品でフィリピン奪取をして、アジアに触手を伸ばそうとして来た米は、当然の事ながら面白くは無いわな。中国に関する門戸開放・領土保全なんて、一見まともな中国に対する『国際主張』はするものの、世界史潮流からすれば『俺も世界の列強国だから、分け前をよこせと主張して居るに過ぎない』んだけどさ。力のごり押しが、世界の仕来たりの世紀が在った訳ですわ。

 そうそう、受講生はロシアン・アマゾネスさん達だから、ロシアの歴史を搔い摘んで触れて置こうか・・・。ロシアの源は、9C~11Cに掛けて第二次民族移動と云われたバイキング時代に遡るそうだよ。バイキングの故郷・スカンジナビア半島のノルウェ、スエーデン、大陸部小半島のデンマークがバイキングの『排出国』だったんだけどさ。スカンジナビア半島の大陸側のスエーデン=スェード人は、海への出口をデンマーク、ノルウェーに抑えられて居たから、大陸大河に展開して地中海にまで達して、主に交易・植民して行ったのが、ロシアの始まりだったそうだ。

 ロシアが統一国家に成ったのが15C末で、その前には『タタールのくびき』って250年のモンゴル支配が在ったそうだ。イヴァン3世、4世が専制君主をして、18C前半にピョートル大帝が『西欧への窓』でペテルブルクを建設したと云うしさ、その後の18C後半に女帝エスカテリーナ2世の時代が、米独立戦争、仏革命の時代でさ、オスマン帝国と戦って、黒海をロシアの内海にしたり、鎖国の日本にも外交使節のラスクマンを送ったりもして居たんだがね。小説風に云えば井上靖の『おろしあ国酔夢譚』が在るんだけどね。それは紀伊の船頭・大国屋光太夫が暴風雨で難破して、樺太⇒シベリア横断⇒エスカテリーナ女王に拝謁して帰国を懇願するまでの『艱難辛苦を描いた実話の小説化』なんだけどさ。

 日本だって明治維新の文明開化の時代には『鹿鳴館』って云うのも造ったって話だ。これは、ピョートル大帝の『西洋への窓』と同根の物だろう。中華思想だとか、共産主義思想だとか、イスラム原理主義に偏り過ぎると、兎角、人間と云う奴は『猪突猛進の爆走』を仕出かすもんさね。

 その点、ロシアも日本も、自国が遅れを取って居ると知ると、それを積極的に摂取する気構えと実行力が在る処が悪くない。まぁ、ロシアはヨーロッパの北辺、日本はアジアの東辺、そんな共通原点に還って、今後の日露関係が国益の範囲内で、強調で無く『協調』が進めば好いんだけどさ。

 兎角、日本のお隣さんの毒亜圏だと、中国の『中体西用=西洋を利用して、飽くまでも中国を主体とする』なんて自惚れだとか、朝鮮の『逐洋斥倭=西洋を駆逐して、倭の日本を排斥する』なんて火病を発症するだけで、根本の進歩・成功に学ぶ資質の無い国柄・民度の低さは、如何しようも無い次第なんだけどさ。

 19Cの『侵略西洋勢の大暴風雨圏』に晒されたのは日本だって同じだ、尊王攘夷から開国に踏み切って、『和魂洋才=大和民族の魂を持って、西洋の才を習得して国家を改造する』で、国難を乗り切ったのが日本って訳だ。
此処に習合文化の伝統国・日本の国家・民度の立ち位置が在る訳だし、旧態依然の毒亜圏には、良い物を学ぶと云う謙虚さが恥しい位に無い。

 出来る事、する事と云えば、産業スパイ、ハッカーして、他人物を盗んで自分の物と云い張って、他に売りさばくだけ。土台盗人思考で、地道な改善・改良の進歩が叶う筈も在るまいよ。その証拠に、文学、芸術、自国ブランドも誕生せずに、ノーベル賞も圏外だろう。毒亜の中狂・北朝鮮・韓国が、真面目に自国史に向き合って、歴史の行間を読み解く能力が育って来ない以上、現代先進国の会話は成立せんだろうよ。以上、今回の歴史講義は終了。」

「ウァ~オ、何時聞いても、物凄~い!! アナタの頭の中、どう成って~る。」
「何処で誰に、教わりましたか!! 専攻は大学の史学科だったの? 学校で先生してましたか?」
「ダーリンは日本人なのに、如何して、そんなにロシアの歴史に詳しいんですか? 驚きです。」

「へへへ、アリガトさんよ。でもな、俺も日本人の端くれだから、大東亜戦争終結後のソ連の日ソ不可侵条約破り、武装解除後の満州侵攻、北方四島強奪、シベリア抑留は火事場泥棒の最たる物でさ。認める訳には行かんのさ。
 そうは言っても、こんな風にロシアン・アマゾネスと『懇意』に成って仕舞うと、世界史本のロシアの行を読んでると、ついついお前さん達の『色香』に惑わされて、知らず知らずの内に覚えちゃうって事さね。男ってぇのは、美人・美形さんには、デレデレで困ったもんさな。へへへ。」

「それは、人間だから、好きな物には目が無い。考えても、仕方が無い事ですねぇ。私だって、日本の事が出てると、ダーリンの事を思い出して、『知識』が入って来るもの。それって、自然な事と思うんだけど。」

「へへ、アリガトさんよ。教師、学校は先鞭を付けて呉れるだけで、歴史単語が残るだけの事さ。その単語を立体的に創って行くのが、本当の勉強なんだろうよ。学問、芸術、スポーツ・・・etc、どんな分野だって、先ずは好奇心と素質だ。好奇心と素質に働きかけるのが教育・訓練って処かな。
 色々学んで基礎の素養が身に着く。素養の上に教養が身に付いてさ。教養の上に実が付く。これが自然の流れじゃ無いのかね。自分の果実を得る為には、行間を読んで、推理して、全体の整合性を観て行くのが、その過程ってもんさね。」

※参考年表・・・1861~65米南北戦争、1868明治維新、米大陸横断鉄道完成、スエズ運河完成。1871廃藩置県、77西南の役。94~95日清戦争。97米ハワイ併合、98米西戦争で米フィリピン領有。99米、中国への門戸開放・領土保全宣言。1900、清国義和団の乱。02日英同盟。04~05日露戦争。07日露・日仏協約⇒日・英・仏・露のアジアに於ける提携成立。これにより米の対日感情悪化⇒06日本人移民排斥運動…映画的にはヘンリー・フォンダ主演の『怒りの葡萄』。14~18第一次世界大戦。17ソ連誕生、資本主義国家のシベリア出兵。24移民法で日本人移民の完全禁止。29、ウォール街の株式大暴落。世界大不況による持てる国の経済ブロックvs持てざる国の全体主義対立悪化。39~45第二次世界大戦。

「私達は、口には出さないけど、ダーリンは本当に『哲学の人』です。そんな事、普段はお首にも出さなくて、私達とじゃれ合って呉れる。だから、私達は友達にダーリンの事を自慢しているし、こんな関係を持って居る自分にプライドを持ってるんですよ。フフフ。」

「へへへ、そう本音を出すな。一応スケベ親父とサーバントばかり遣ってると、ご先祖さんに勘当されて、墓に入れて貰えなく成るからな。偶にぁ、ご先祖さんの手前、俺らしさを見せて置かなくちゃって、近未来の「下心」さね。」

「下心は要らないです。捨てなさい。それ、私には好都合!! 家族の墓に行かなくても好いです。それ、私にはシメシメです。これなら、異界でも私と『名コンビ』で異界生徒達にレクチャー出来ます。ウンウン、先が楽し~みですね。
やっぱり、私とアナタは、出遭ったその時から、ピンと来る物が在りましたね。これ、『運命の絆』ですね。何時までも現世に置いておくのが、勿体無い男です。第30部出来たら、私は迎えに来ます。」

「ノーノー、ナターシャ、それは絶対にニェット!! 私には娘、バルディナには息子がいます。二人とも大事な学齢期。
ナターシャ、良く聞きなさい。人間には異界じゃ無くて、現世に生きるのが、『人間の務め』でしょ。私達の大事な子供の家庭教師を奪わないで!!」

「そうよ。ヤナの云う通りよ。焦らなくても、人間は何時かは死ぬものよ。自分の都合で、無理矢理、異界に連れて行こうなんて、人間の心を無くしてしまったの。そんな自分勝手な事は、絶対に駄目でしょ!! 撤回しなさい!!」

「そうよ。私達のダーリンが現世に居るから、こう遣って皆で『夢奇譚』に集合して、一蓮托生の冒険が出来るんでしょ!! 」

「ナターシャだって、ダーリンが現世に居るから、異界から息抜きに来れるんでしょ。欲張り、独り占めは一蓮托生の『ルール違反』でしょ!! ナターシャは頭の良い人なんだから、衝動的な感情に惑わされないで、『理性』で考えてよ。ダーリンは、私達みんなの『大事な共有物』でしょ。」

「ウンウン、ナターシャ、バルディナの言う事が正しいわよ。女の欲張りは、異界のプロフェッサーとしては、心が狭過ぎる。遅かれ早かれ、私達は異界に召されるのよ。そうでしょ。
 だったら、私達の一人が現世に居る間は、『一蓮托生』の縁で、異界から現世に遊びに来られるのよ。そんな喜び愉しみをアナタだけの身勝手で、壊して仕舞って平気なの? よく考えてよ。」

「そうかそうか。分かった。本当ね。私、心が狭かった、小さかった。撤回する。考えて見れば、『一蓮托生』だもんねぇ。其々が、其々に共有物の関係で成立して居るって事なのね。OK、これは、ダーリン、ナターシャ、ヤナ、バルディナ、メンバーの総意って事なのよね。そして、祝30話は、区切り&スタートのエールなのよね。」

「へへへ、合意が出来て、好うござんしたね。でもなぁ、美人に美形さん達も、気を付けれや。買被りが見掛倒し、見掛倒しが、とんだ喰わせ者だったって云うのが、人間関係の『落とし穴』って事に成るのが、娑婆の常だぜ。時々、『お浚い』をして、チェックが肝要だぜ。へへへ。」

「オゥ、それ勿論。遣ってる~。私は異界の女・ナターシャの『読心術』からは、アナタは絶対に逃げられな~い!!」

「その通り、私達はロシア語。ダーリンの日本語は口上手の口。日本語でカモフラージュしても、ナターシャが読心術して、正確なロシア語で教えて呉れます。オホホ。」

     ★★これも裸同士の川湯浸かりの湯治効果と云った処だろうか。へへへ為り。

 有難い一蓮托生の合意を心に『銘記』して、里へ帰って来た次第で在る。明日帰ると云うアマゾネス達のリクエストで、野苺ジャムのセットとして、加糖練乳・森永ミルクの缶を買って行く。外国物はチョコレート、アイスクリームにしても、甘過ぎて日本の物の方が、数グレード高いとの事で在る。

                夢奇譚第30部・・・ロシアン・アマゾネス慰問チーム。完。

                                       2017/6/22 by アガタ・リョウ


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