長駄文館・・・遣るもの為り。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いやはや、私も遣る物為り。（7/10/23）
　昨日は好く働いた。有明の保養所に行くと、会社の車が２台泊って居る。工事の進捗具合は弟から聞いて居るので、中には入らずに外工事をじっくりと見て回る。佐渡行時の折には、駐車場のテント張りでの打設時に、滝の様な集中豪雨に直撃されて、とんでもない事に為ったと言う連絡が入った。打ち直しと想像して居たのだが、予想した以下の被害で安心した。擁壁の足らず終いを１ｍの二段として、露天風呂用地にも１ｍの擁壁囲いがして在り、脇の分は旧擁壁の石ブロックを利用しての４段積みがされて居る。雨が降ると泥濘(ぬかるみ)に成る土質には、駐車場に開けられた砕石を上の重機で掬い、小型クローラで運び、転圧が為されて居る。内部のリフォームは、社長とＵちぃが、外工はＫちゃんが受け持って居るのだろう。

　如何にも、少人数を機械力で機動的に進めて行く、弟の会社らしい。見て歩くだけでも天晴な進捗具合で在る。そうと中に入り、一階のダイニングキッチンと堀コタツの部屋、畳の入った和室を見て、音を立てぬ様にして、階段を上り、造作で散乱した両の部屋を見る。廊下で工事をして居た弟が、道に車が停まって、私が来た事を知って居たらしく、私の観察行動を察して居たらしく、ニコニコ顔で、そろそろ手伝いに来る頃だと、私の行動を読んで居たと笑って居る。

　男兄弟５人の育ちで在るから、兄弟同士ではじゃれ合わない、お互いの自由放任主義で在るが、同じ遺伝子の同心円の見守りで在る。散乱し切った二階作業部屋のゴミ出し、掃除の整理整頓と焼却処分の出来る物を笊に入れての狭い階段の往復をして、焚き火とする。

　何事も人間は気分の動物で在るから、片付けられた場所での作業はハカが行くと言う物で在る。欲しい物が在れば、持って来るし、一段落が付けば、私に出来る事は無いかの物を探して、其れをして置く。堀コタツのテーブルの汚れをサンドペーパー代わりに台所のスチィールタワシが在ったので、其れを試みると汚れ、染みが取れたので、テーブルをライポンで汚れ落としをして、念入りの雑巾掛けとして乾いた処で、フローリングのワックスを施して、乾いた処を再度塗って汚れたテーブルのリフォームとする。

　材料を買いに行くとの事で、ホームセンターに同行する。昼飯に下りる途中で倅家族の家に寄って、苺ジャムのお代わりを持って行く。夕方に全員で家を見に行きたいとの由。

　午後の時間は通路階段の整理と見栄えの好さを造ろうと、長靴に履き替え力仕事をスタートさせる。美的感覚は弟より私が優れて居るから、私の仕事で在る。地表の石を見繕って石段の形を、ヒィコラヒィコラ並び変えて行く。いやはや、何と石の重さで在るか。若い頃は、力も馬力も在ったのだが、何しろ７５の古希坂男で在る。スコップで地面を掘り起こして、ジョレンで据える場所の地均しをして重い石を左右に振ったり、スコップを梃子に移動させて行く。ふぅふぅと、なんのこれしき、老いても男で御座るの黙々とした独り作業の段で在る。全身の水分が悉く汗と成って、既に丸で全身に水を浴びた様な苦闘作業と為って居る。

「Ｒちゃ、歳だぞ。もう止めとけ。体が持たんぞ。」
「遣れば遣った分だけ終わる。もう少しだ。如何だ、ちょっとした庭師だろうが。」
「文書、絵を描くだけ在って、才能だね。巧いもんだわ。煙草二階だから、投げて遣るから、一服付けて休憩してから遣りましょや。飲み物は？」
「水道の水を、がぶ飲みするから要らん。」
「おっ、解った。お互い、根性屋だから、遣り始めたら、区切りを付けないと堪能し無いＤＮＡだからな。」
「まぁ、同じ血の色と濃度だから、しゃ～無いわ。もう少しだ。」
「そりぁ言えてる。俺も頑張るか。アハハ。」

　合格点の終了で、水のガブ飲みをして居ると、下の道路から倅ファミリーの車の停まりで在る。丁度兄弟で一服して居た時なので、好いタイミングで在る。一階部分はほぼ完成して居るから、堀コタツを椅子代わりに身内の団欒と為る。職人の腕に皆吃驚の仕上がりの讃辞を頂戴する。荒れ果た工事前、敷地の伐採状況を知って居る次第で在るから、尚更の驚きで在る。これでクルーザーが船泊と設置されれば、近所の名所と為る事必定で、友達、職場での露天風呂付き宿泊バーベキューで、利用価値大との大喜びで在る。

　会社の方は本業が立て込んで来て居るので、一カ月程の中断に成るそうな。秋の完成を目指して居るが、露天風呂とバーベキュー場所が完成した処で、一度保養所のお披露目会を予定して居るそうな。嫁さんはクルーザーのクレーン吊り上げセッティング場面を見学に来たいとの由。上の孫が秋に米に帰って、冬にまた帰って来ると言う学友を連れて、歩いて来た。来年は中学で在るから、管理人の役を与えようと考えて居る次第で在る。

　帰りは雨で疲れて仕舞ったので、国道沿いに美味い食堂が在るから、チャーシューメンを食べて行く事にした。あっさり系の親父さん譲りの味で、最後の一滴まで飲み干して、満足の腹での帰宅で在った。

　明けて本日は曇天の風日ながら、湿度の高い蒸し暑さで在る。朝採りキュウリをカットして、キリギリスのキュウリと削り節の交換をして居る際に、四畳半ケースのオス１匹に逃げられて仕舞った。朝食後は蚊取り線香の大と小、削り節を買いに自転車のペダル漕ぎ運動に行って来る。土手で耳を澄ますと、鳴いて居る、鳴いて居る。キリギリス移住が定着した運びに、ニンマリで在る。暑い時の食欲喚起にカレーを作ると致そうかで、Ｄ２帰りにスーパーに寄って来る。
　朝飯の食器を洗って、米研ぎをして長靴を履いて、グッピィの補給水を川から汲んで来る。移住三世代目のキリギリス達は順調らしく、散開して夏の声を共演して居る。カレーを仕込んで、早や２時で在る。

　雲隠れしたキリギリスを探しに行くと、ケースに脚が見える。姿さえ見えれば、御用の段で在る。難なく捕まえて、餌の交換されたケースに帰って貰った次第で在る。獲って来てメスのが多過ぎたので、オス１匹とメス４匹を庭に放した次第で、川原に定着したキリギリスと交尾をすれば、来年に向けての子孫繁栄の素にも為ろう。

　弟の終活の仕事仲間達との保養所創りには遠く及ばないが、私のキリギリス移住策も及ばずながらの終活の一環作でも在る。へへへ。