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世界史備忘録・・・中国に於ける体制内改革。

                世界史備忘録・・・中国史に於ける体制内改革

 宋代、王安石が新法で軍事・財政改革で富国強兵策を採るが、旧法派の反対により成功せず。
                    改革施策
青苗法・・・小農民に穀物・資金を政府が低利で貸し付け、収穫時に返済させる。
均輸法・・・各地の特産物を政府が買い付け、不足地に転売する。
市易法・・・中小商人の手持ち物資が売れない時に、政府が買い上げorそれを抵当に政府が年2割の低利融資する。
募役法・・・労役奉仕を免除する代わりに、免役銭を徴収する。
保甲法・・・傭兵制に代わる兵農一致策。
保馬法・・・民間に軍馬を与え、平時に農耕・駄役に供し、有事に軍馬と為す。
方田均税法・・・土地の良否を等級化して、それに応じて課税する。

 唐代安史の乱以後藩鎮の分国化・五代十国時代の群雄割拠を制して宋が中国統一。科挙に殿試を設け、文治・皇帝独裁体制を敷くが、北虜南倭にして、軍事三流経済一流と云われた宋の本質を象徴する国家運営策の象徴が観取される。

 靖康の変で遼を滅ぼした金が、宋の裏切りに対して、報復。これにより北宋滅び南宋と為り、華南開発に繋がり、蘇湖、熟すれば天下足ると為る。金に臣下の礼を採る屈辱と毎年の歳貢を強いられる。北方異民族の遼・金に制しられて華夷の区別・中華思想を拠り所とした朱子学・大義名分論を主張するに至る。
 然しながら、華南に政権を移転した事に依り、皇帝権力は華南貴族との均衡の上に立つスタンスで、中国ルネッサンスで進取闊達な文化を持つに至り、商業・産業が大いに発展した。海に進出しての交易も活発と為った。

 民不在の中国史に於いて、体制改革の王安石の新法施策は、特筆すべき試みと同時に、官と民に底流して居る根本的諸課題に、民の立場から改革項目としたのは、興味深い事でも在る。国政を預かる宰相の国家の大国柱・軍事と財政の富国強兵策を目指す根本は、民に気を配る民生民活策と観て居た視点が宰相に在ったと云う事は、注目に値する。常識が、国策に挙げられ、其れをしなければ為らなかった背に腹は代えられ無かった点が、中国史に稀に見る体制内改革なので在り、結果的に民不在の旧法派に改革が阻まれた歴史に、中国史の本質が観えるので在る。

 古今東西を問わず、貧富の差は国家運営の根源にして、その差が王と奴隷の隔たりと為れば、富国窮民・剥民肥国の苛斂誅求の暗黒世界が拡がるだけの事と為る。王安石の体制内改革は成功はし無かった物の、窮民の諸原因が何処に在るかを知った上での各新法の立法は、民法・商法・行政法に基ずく農民、生活者、商人の国家生産に基ず居た考察の目が行き届いた妥当的軍事財政の再建策で在る。現代風に云えば積極的財政出動策で在る。中国史に現れた一瞬の民生・民活論で在った様で在る。

 北宋最後の皇帝・徽宗は風流天子と云われ、政治的には無能では在ったが、文人・画人の才は天才的で桃鳩図は国宝とされている。北虜南倭に苦しみ契丹の遼とは1004年セン淵の盟、金と盟約して遼攻撃を画くするが、方ロウの乱で出兵遅れる。燕雲16州の内6州は宋に、10州は遼にで金攻撃を画策。露見して靖康の変で徽宗は捕虜と為り、以後南宋と為る。因みに王安石の改革は、徽宗の前で在る。
 徽宗の花石網・・・人工庭園を築く為に、江南から奇岩・珍木を大運河で開封に運ぶ為に、農民を徴発、水門・橋を取り壊す。そんな窮民策に方ロウの乱起こる。指導者宋江をモデルに水滸伝が出来る。

 清・乾隆帝時代・寵臣和抻(わしん)は貪欲な収賄で官界を汚職の巷と化す。乾隆帝没後、嘉慶帝から20の大罪を列挙されて、自害を命じられる。没収財産8億両。政府歳入7000万両で、10倍以上の畜財量。仏の太陽王・ルイ14世の私有財産は2000万両。

                  ★和抻転んで、嘉慶帝、腹一杯

 中国の大地に在る物は、易姓革命の名の下で王朝変遷史にして、歴史の継続性が断絶された領域では、現赤い征服王朝が態の好い共産主義の国旗の下で、一党独裁体制下、旧態依然とした王朝史の悪しき循環で民不在の、富国窮民・剥民肥国の苛斂誅求の暗黒世界が拡がるだけの広大な荒野が拡がって居るだけの世界と云えようか。

 世の不条理、不合理に目覚めて、こだいぎりしあの時代時代の背景の中で、幾多の改革者が改革、反乱を起こして、一進一退の歴史を重ねて来て、原始・古代・中世・近世・近代・現代と人類は、時代を改めて来た。
 古今東西を問わず、古代ギリシアのスラ、ローマのグラックス兄弟、中世カソリック教会改革のウィクリフト、フス戦争、ルター、カルヴィンの宗教革命・・・etcと体制改革の先駆者の言葉には時代を越えた凛々しい響きが在る。

 便利簡単ワンクリック、一撫でで物が済む御時世で在る。マイノリティの主義主張が、何か人間解放の金科玉条の民主主義の様に交差するマスゴミ界、政界で在る。LGBTなどと男女差撤廃の沙汰は、これぞ末法の世の到来としか言い様が在るまいに・・・。



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