長駄文館・・・難儀な代物為り。

　　　　　　　　　　　　　　　言う事を聞いて呉れ無い困り代物為り。（9/2/23）
　昨日はとんだ粗相をして仕舞って、キリギリス達を死に至らせて仕舞った。途中で解って、蘇生に腐心したが、半数以上も殺して仕舞った。スプレーを水と殺虫液を勘違いをしての凡ミスの沙汰で在る。異変に気付いて、水スプレーで徹底的に洗浄した物の、既に遅しで在った。微かに動く物は、蘇生を祈り、キリギリス捕獲に行ったのだが、オス１メス２の全くの不猟と為って仕舞った。其れなりに慎重なタイプなのだが、忘れた頃に思い込みのケアクスミス、凡ミスをして、アタフタとして仕舞う性質で在る。

　幸い独り暮らしの閉じ籠り爺で在るから、自業自得の大反省だけで済んでは居るが、周りに人が居たら、何を言われるか堪った物では無い。これを称して、馬鹿に付ける薬無しの溜息と云うので在ろうか。

　そんな経緯が在ったので、キリギリス獲りの夢を見て居た。勤めて居た会社の野球、サッカー、テニスコートの奥に桜が植わって居て、桜が咲く頃には、半日の花見会が振舞われて居た。昔好き時代の会社親睦会で在った。そんな自然のオアシス的環境で在ったから、夏に成ると資材置き場の隅々からキリギリスの声が聞かれて居た。先輩さんの話によると、狸も住み付いて居たとの由。時代の流れで、親会社の意向で廃業と為り、会社跡地は市が買い上げて、公園と為って居る。

　夢の舞台は、其処で在った。会社の奥の方には、斜陽傾向に在った工場棟の有効活用として、外注さん達に場所、設備を貸し出しての外注請負制度を建議して、それが回って居た。人員整理の面も在って、早期退職の退職金上積みで、ベテラン、若い社員の中には、そちらの方に回って貰った。そんな発案実行をして居た経緯が在ったから、私が行くと、皆さん、助かったなどと、迎えて呉れた。労務管理の範疇で在ったから、私としては一つのモデルを形に出来たと云う自負が在ったが、企業と云う社会態も時代の趨勢には逆らえない物の栄枯衰退の様は、世界史の示す処で、感無量の感を抱きつつ観て居た。そんな散策時に、不図、敷地奥の草叢に鳴いて居たキリギリスを思い出して、耳を澄ませると、キリギリスの声が聞こえたと云う夢内容で在った。

　人間脳裡と云う物は、摩訶不思議な宇宙に浮かぶ浮遊物の総体の様な物で在る。夢と云う無重力、引力の作用し無い闇の世界で在るからして、現実に起こった諸々の残滓が意識と云う引力が働かない空間の中で、過去の諸々の物と結び合って一つの夢を構成したり、夢の残視として夢分析を齎す物の様で在る。

　昨日は、仮死状態に陥って仕舞ったキリギリス達の動きを具（つぶさ）に観察して居ると、天理教の教会長さんが顔を出しての玄関話と相為った。そう云えば、何やかやと弟の手伝いで、教会でのコーヒータイムが無かった次第で在る。

　とっくに届いて居る筈の手紙が私の所には不着で、不思議？？？と電話を頂戴したりメールを頂戴して居るのだが、それが遅れに遅れて、本日の着で在った。差出人様は、美人才女様で在るから、和紙に毛筆の達筆の文面で在るからして、育ち素養の差が歴然として圧倒される草書体で在る。文面の前後での推量読みでは在るが、こんな凡夫にご丁寧な礼状を頂戴して、身に余る光栄とする次第で在る。

　団塊世代前の『大和撫子の実力』の片鱗を観る想いで在ると同時に、和紙に草書体の文面は、書道の言葉を如実に現わして、和紙、草書の流れる様な筆致は、一服の視覚的表現とも為って居て、諸々の崩し字の美体を醸し出して居る感がする。

　ラインの電話、メールの要領が解らず、てんてこ舞いの徒労に帰して居る昨今で在る。機械音痴、操作音痴の歯痒さに、匙を投げて居る次第で在る。今日も、物に為らなかった徒労にギブアップして居る処に、タイミング好くＳが顔を出して呉れたので、早速教授を願い出る。Ｓが遣ればスイスイの運びで、私が遣るとプッシュの加減、タイミングで先に進まないとの指摘を頂戴して、覚えるよりも慣れろのアドバイスでは在るが、いやはや、私とは相性の悪い文明の最先端機器で在る事か。

　　　　　　　　　　嗚呼、疲れる、言う事を聞いて呉れ無い困り代物で在る。とほほ。