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長駄文館・・・親子共々、頑張れっちゃ。

                  親子共々、頑張れっちゃ。(8/19/18)
「今日は何処で遣る?この前の所は、獲っちゃったしな。思い切って上に行くか?」
「上は、こいつには冷た過ぎるよ。何しろ、根性が無い奴だから。」

「そうか、じぁカーブの所にしようか。処で、お前の中学の時、何日も通って、尺超えイワナを突いて来た所は、どの辺りだ?」
「橋の前に店屋が在って、その辺りの堰堤の溜まりの抉れだったと思うんけど、多分、中学の夏休みの自転車だから、そんなに上までは行かったと思うけどさ。」

「そうか、じゃあ、カーブの下か。」

 そんな話をしながら、私の車でカーブの所まで行く。大分来て居ないから、川に下る所が、藪状に成って居る。肥満児の小童子には、無理な傾斜で在る。下の畑から川に下りる事にする。此処も一部が雑草ジャングルの態で在るから、昔取った杵柄で私が先頭に立つ。

「好いか、爺ちゃんが草を薙ぎ倒して道を作って行くから、追いて来い。」

 先頭爺、真ん中小童子、後ろ父親の態勢で在るから、すんなりと怖がらずに追いて来る。キリギリス鳴く畑、田圃の畔道を横切って、川に下りられる場所を探すと、好い具合に梯子が立て掛けて在る。それに足を掛けると。

「親父、何処見てる。蜂の巣が在るぞ。」

 おやおや、小さな蜂がブンブン飛んで居るでは無いか。うむ、ヂバチなら、見付け物と見れば、アシナガバチより小さい、此方ではメバチと云って居る小型の蜂で在る。梯子の上段に巣が在った。遺憾いかん、ヤスで落ちして退去で在る。

 堰堤のコンクリート斜面を滑り台形式で下りるしか無さそうで在る。なるべく草の少ない所を探して、下に進む。

「此処が好いだろう。まだ其処に居ろ。爺ちゃんが下りて、道を作って遣るから。」
「うん、分かった。」
           草叢に分け入って、道を作って来る。

「ヨシ来い。ゆっくり、羨ましい程の尻でずり下りて来い。」

 爺と父親の居る安心感なのだろうが、不安な顔もせずにずり落ちて来る。小童子を受け止めて、川に入る。いや~、こりぁ冷たい。イワナ、カジカに在り付けるかも知れない。

「おぅ、冷たい!!」
 それでも、遣る気満々の小童子で在る。居そうな雰囲気で在るが、一向に魚影の走りが見えない。

「やっぱり、今年は数が少ないな。」
「そうだね。でも一応、サデ網をして上に行くしか無いね。」

 然しながら、全然駄目で在る。最初に下りる予定の場所は、砂防堰堤の溜まりに成って居るから、倅がシュノーケルを咥えて水中探査を始める。いやはや、羨ましい程の若さで在る。私はその勇気が無くて、先行調べに堰堤を上がるが、水が冷たいだけで、魚影の走りが見えない。若い頃は、この辺りは私のヤマメ、イワナ釣りのホームグランドで在ったのだが、川には人が入った形跡も無いから、大物が居ても当たり前の川相にも拘わらずで在る。

「ヨシ、時間の無駄だから、下に戻ろう。」

 車に戻って、下に向かう。途中、懐かしい場所が在ったので、車を止める。小学生の頃、結構高い堰堤から、下の深い溜まりに飛び降りる遊びが気に入って、倅のお気に入りの場所で在った。3歳違いの娘は、それが怖くて如何しても飛び降りる事が出来ずに、腰が退けて居たが、普段、大人しい筈の倅が、妹を手荒く突き落として、川遊びの面白さを教えようとして居た場所で在る。

 細道に車を止めて、父親の懐かしい場所を小童子に見せて遣りたかったので在る。ちょっとした切り通しの場所で在る。見れば、手作り不揃いの養蜂箱が幾つも置いて在る。西洋ミツバチと違って、地面近くでは無く、切り通しの中間から上に巣箱が設置されて居る。こんな処が、改良種と自然種の違いなのだろう。箱数だけ女王蜂を中心としたミツバチ社会が形成されて居るので在るから、飼い主は蜜を採る時に、女王蜂を新しい巣箱に分封させて、巣箱を増やして来たのだろう。

「こりぁ、好い物を見た。日本ミツバチだぞ。NHKじゃ幻の日本ミツバチなんて、大袈裟なドキュメンタリーを遣って居たもんだがさ。日本ミツバチは秘境の生き物じゃ無くて、普通に居る日本古来のミツバチさ。ほら、小さくてスマートなミツバチだろ。夏休みは、野外学習の場だぞ。好く見て、頭にインプットして置けや。」

 此処は骨董品喫茶を営んで居る。小~高と一級上の先輩が営んで居た。数えると巣箱が10前後置かれて居る。日本ミツバチの養蜂とは、流石に『二本線』らしい次第で在る。きっと店の特産品なのだろう、目の付け処が、好いでは無いか。あはは。

                  堰堤は壊されて、魚道が作られて居た。

 前回の場所に戻って、先遊者が川遊びをして居るから、上に向かう。地元の男子中・高生3人が、魚獲り、釣りをして居る。

「お父さん、如何して上に行くの?」
「場所は、早い者勝ちだから、邪魔をしない様に上に行くんだ。これは、遊びのルールだ。覚えて置け。」
「そう、分かった。早い者勝ちか~。しょうがないだね。」

 橋を渡って、土手の小道を進む。前回の獲り逃がした大物が居た辺りから、川に下りる。堤防斜面が急で在る。父親が、息子に下りる手解きと注意点を聞かせて居る。

 倅は、私より注意深い性格の様で在る。蜂、蛇への注意が細かい。好い事で在る。私は四男坊の無鉄砲さ、出た処勝負の強引さが在って、失敗する事がしばしば在る。倅は私に比べると、計画的性向が在る。
 小童子は母親に云わせると、私の所に来る時は、何処へ行って、何をして遊ぶと云う事を考えて来ると云う事で在り、私は小童子に計画に従って、連れ回されて居る次第で在る。

 考えて見ると、倅、小童子は長男坊で私は四男坊の違いから来る一種の『環境差』から来る性格の違いなのだろう。まぁ、これも個性の違いで在るから、自由が好いので在る。

「おぅ、あったかい。さぁ、頑張るぞ!!」小童子は大分遅れながらも、二度目の場所で在るから、自信に満ちて居る。見守りは怠らないが、子供に殆ど手を貸さないのが、R家の作法で在る。

 網を構えながら上に進むが、芳しくない。空振りが続いて、駄目かなと思い始めた頃、一匹が入った。次に2匹を掬った。

「おいおい、お前さん凄いね。遣るねぇ。」
「俺は、親父の子だよ。」
「お父さん、見せて見せて。凄いね!!」

 3匹をゲットすると、途端に欲が出て来る。目標は5匹で在る。俄然、調子付く小童子は、構える父親のサデ網の横位置に足を揃えて身構える。

「お爺ちゃん、好いよ!!」と学習効果を披露して見せるから、大した父子コンビで在る。

 倅は来る時に、私の靴と魚入れのネット袋を買って来た。小童子は、今回は魚ネット掛かりを担当して居るから、大人の仲間入りの気分の好さなのだろう。如何に生かして新鮮な内に腹を割いて、塩を振って貰って、川遊びの成果を家に持ち帰るかに、自分の存在意義を誇りたいの意志に満ち満ちて居る。

 川歩きは体力を消耗する遊びで在る。如何見ても、魚の勝ちの溜まりが在るから、小休止のシュノーケルの川浸かりをして居ると、上から釣り下りをして来る若者の姿で在る。

 仕掛けを見れば、丸浮きで在るから、素人で在る。魚籠にはアブラハヤが誇らしげに大量で在る。倅が半分小馬鹿にした様な笑いで、一声掛けて居る。

「多分、様子からすると、都会育ちのS大一年生って処だろうな。自然を満喫してる気分なんだろうけど、こっちのネットに入って居る良形ヤマメを見たら、腰を抜かすんじゃ無いか。」

「釣りは下から上に行くのが筋なのに、逆だ。親父、全部アブラハヤだよ。あんなに一杯釣って、如何するんだろうね? 幾らなんでも、アブラハヤは無駄死にだよ。食べないんだったら、逃がして遣るのが遊びって物なのに。困った素人だよ。」

「やっこさん、食べ方を知ってるんだよ。腹を割いて、浮き袋、臭い腹わたを奇麗に取ってさ。素揚げにして、タマネギをスライスして、唐辛子をきつく振って、酢醤油で南蛮漬けに仕込む。それを冷蔵庫で馴染ませれば、ちょっとしたもんで、美味いんだぜ。」

「本当? 俺は食べた事は無いわ。今度遣って見ようか?」
「駄目駄目、手間と油の始末が面倒だ。」

 倅は私と違って、育ちが好いから『無駄な殺生はご法度』の訓えを子供にして居る。網に掛かったアブラハヤ、小さなヤマメは逃がして遣る。獲った魚は、骨まで食べさせて、成仏をさせる。小童子は、爺と父親の大人話を、頭にインプットする様に、真剣な顔で聞いて居る。本日、小童子は自分の発案か、父親の与えか、子供用軍手を嵌めて居る。

「おい、爺ちゃんのシュノーケル見ただろう、一度も顔を出さずに泳いで居ただろう。お前も早くシュノーケルを覚えると、ずーと泳いで居られるんだぞ。川の中は別世界だぞ。爺ちゃんは、河童だぞ。」

「うん、ずーと泳いでたね。お父ちゃんの爺ちゃんは、やっぱり凄いわ。普通の人じゃ無いね。」

「そうか、シュノーケルで呼吸のコツを覚えたら、水の中が怖くなく成るぞ。怖くなく為れば、いざと云う時に焦らなくても済むから、落ち着いて、頭が働く様に為るぞ。頭が働けば、下手にパニ喰って水を呑んで溺れる事も無く為る。呼吸さえ出来れば、強く利口に為れるぞ。来年は、確りマスターしろよ。」

「うん、分かった。」

 目標の5匹をゲットして、ノルマ達成後に、大きなカジカをゲットした。記念にサデ網からネット袋に入れる役は、小童子の手に依った次第で在る。さぁ、帰りで在る。最初から最後まで、小童子は魚持ちの任を崩さなかった。役目を全うする事で、小童子は大人の仲間入りを果たした『自信を』持った様で在る。

        帰りは途中から石垣を上って、コンクリートと桜木の散歩道を行く。

「好いか。真ん中を歩け。目は、蛇、周囲のハチの巣に気を付けろ。蜂は最盛期だから、中に一杯子が居るから、敏感に為って居るから、不用意に近付くと、巣を守ろうとして、一斉に襲って来るぞ。好く見て歩け。ほら、そのパイプの中に巣を作って居るだろう。男は馬鹿じゃ務まらんぞ。」

 いやはや、丸で私が言って居る様な、男教育では無いか。嫁さんが家にはお父さんが2人居るとは、この事で在ろう。声質も口調も、驚く程に好く似て居るとの由で在る。

 爺の贔屓目かも知れないが、小学生に成った分、成長度が一段と増して来た様に見える。へへへ。

 車を停めて在る橋の下では、先程の三人が、バーベキューの用意をして居る様子で在る。いやいや、夏休みのアウトドア遊びをする少年達が居るとは、嬉しく為る光景で在る。

        帰って、私は早速の腹割きの任に着く。カジカはまだ生きて居た。
「ねっ、まだ生きてるでしょ。」またまた、小童子の鼻も高かった筈で在る。

 父子は、余程腹が減ったのだろう。クッキー、イカ天を頬張って居る。美味いシコシコきしめんが在ったから、茹でてレトルトカレーを掛けて、食べさせると、シコシコきしめんの歯応えとカレーの相性が抜群と云う。

            腹一杯のカレーうどんと、流石の川遊び疲れで在る。

「お前、疲れてグロッキーだろう。帰って、寝るか。」
「うん、俺、疲れた。」←何時に無く、小童子の奴はお疲れモードで在る。

 仲の好い父子と云うか、好いコンビで在る。自分の姿は見えないが、私と倅もこんな関係だったのだろう。川遊びの一部始終をカメラに収めれば、その儘で、下らない台詞付きの映画より『上等の映画』に為ろうと云う物で在る。何しろ、被写体が好いので在る。

 好いタイミングで来たので、完成梅干し一甕と天日干し中の梅酒梅を二つ試食させる。

「如何だ。もう一日干すんだけど、好い線行ってるだろ。」
「うん、未だ焼酎臭がきついけど、寝かせて抜かして『まろ味』が回って来たら、美味く為るわ。これも、親父の味の一つに加わるわ。俺も、定年後は、親父の味の継承者として大変だ。」

「ああ、そんな事は屁っちゃらだ。蛙の子は蛙で、遺伝子の中に確り備わってるから、時が来れば顔を出すまでの事だ。」

「まぁ、そりぁ、そうだと思うから、俺は親父に倣って、女の料理には一切手は出して居ないけどね。」

 車を見送って、洗い物、掃き出し、テーブル拭きをすれば、またまた、帽子の忘れ物で在る。今回は一つ増えて、小童子の帽子二つで在る。我が家は、時間帯に従って部屋を移動して回る生活で在るから、誕生から月に一回の爺ちゃん家は、小童子にしたら、自分の家の刷り込みと認識が在る様で、自分の物を部屋に置いて来ただけの感じなのだろう。

 知恵の付いて来た下チビは自由放任下、目下、ジョービタキのバルディナの様に、家に来るとトコトン歩き回って、家の模様をインプットして居る最中で在る。まぁ、その内に、大きく為れば、二人で遣って来て、何かと私の相手をして呉れるのだろう。へへへ。

 今頃は、帰りの車の中で、正体も無く熟睡して居るに違い在るまい。それにしても大人に交じって、同じ動きをして居たので在るから、体力が有ると云う物で在る。子供は遊ぶのが、『一番の仕事』で在る。楽しく遊んだ記憶は、『一生物』で在るからして、好き事で在る。

 私には一緒に成って遊んで呉れた親父は居なかったが、孫は好い親父が居て『幸せ者』で在る。素直に伸びるべしで在る。親子共々、頑張れっちゃ!! 




 
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