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長駄文館・・・顔見世に行って来た為り。

                   顔見せに行って来た為り。(8/22/18)
 ゴミ出しをして来る。今日は秋空に、夏の暑さでは無いか。時代を反映して、生ゴミの3倍を超えるプラスティックゴミに、何でもかんでも包装の消費生活で『反省』を余儀なくされる現代生活の様で在る。

                    昨日は電話を一本する。

「暇してるかい?」
「やあ、それがさ、月一度の東京帰りで、昨日帰って来た処でさ。お盆中、向こうで子供達と会って居たんで、長居をしたら、婆さんにあれ遣れこれ遣れと扱き使われちゃってさ、ネギの植え替えを遣っててさ、今丁度終わった処だ。」
「そうかい、そりぁ、しょうが無いわな。半世紀を、家を空けて居たんだからな。これから、顔見に行こうと思うんだが、どこら辺だい?」

    ○○バス停から集落に細い道を上がるそうで、近くに来たら電話をしてとの由。

 バス停から村落への道を探して、細い道をバス停辺りまで進めて、擦れ違いのスペースを見付けて停車する。

 携帯で電話をしようとすると、小柄なおっさんが歩いて来た。家を訪ねようとすると、本人で在る。いやはや、高校を出てから初めてのご対面で在る。お互い、紅顔の思春期からすると世間の垢に染まって居るのだろうが、紛れも無く嘗ての同窓生で在る。

「おいおい、そんな小さかったのかい?」
「R君は、陸上遣ってただけ在って、やっぱり大きくて、好い体してるなあ。家は其処だ。」
 
 山間部の集落で、川の両側の平坦部は田んぼと畑に成って居て、集落は里山の傾斜部に並んで居る。従って、家へは坂道で在る。先祖代々が連綿として広げ護って来た生活空間で在る。

「おいおい、石垣の重量感が凄いねぇ。世が世だったら、砦の頭目か、地主か、どっちにしても旧家かい?」
「そっちは違うよ。俺ん家はこっちだよ。アハハ。」

 古い農家の造りで在るから、間取りの空間が広々して居て、ゆったりとした落ち着きが在る。傾斜面に建てられて居るから、窓からの眺めは、眺望が開けて丘陵が借景と成って拡がって居る。単身赴任で、家を守りに帰って来た気持ちが、手に取る様に分かる次第で在る。ヘヘヘ。

 電話をして置いたから、テーブルにはお茶の用意がして在る。私は名刺代わりに数点の額絵を外して、戯画ファイル1冊と手元に在った文作コピーを持って来たので、早速、額絵を畳に立て掛ける。

「おい、婆さん、R君が自分で描いた絵を持って来て呉れたよ。色遣いの鮮やかな絵だから、見ないと損だよ。お出でよ。」

 奥の部屋から、お袋さんが出て来た。92,3歳と云うが、腰は曲がっては居るが、お元気そうで在る。婆さんに毎日扱き使われて居るとの由で在るが、此処も親子水入らずの明るく穏やかな生活を送って居る雰囲気が伝わった来る。

 50年のフリーズ期間が在るので、一応の空白期間の自己紹介と相成るのだが、お互い、そんな事には気を置かない性質の様で在る。

 彼は自由な生活を愉しんでいるらしく、現在、論語上下巻をノートに書き写して、辞書を引いて書き込みを行ったり、自分の感想などを書き入れて居るとの由で、分厚い溜め書きを見せて呉れた。

 美術館巡りが趣味で、家(東京)に帰った時に、縄文展覧会をして居たので見て来たとの由。聞けば、高校時代は『世界史が大の得意科目』だったとの由で在る。

 いやいや、これは『来た甲斐』が在ったと云う物で在る。思う存分、歴史感想の往復が出来ると云う物で在る。

「俺は、こう云ったメルヘンチックな絵が好きだな~。これ、これ、それに、これも好いなぁ~。」
「おいおい、お前さん、ロリコン趣味で、変態じゃ無いのか~。汚らわしい病原菌に汚染され無い内に、俺ぁ、帰るわ。」

「何を扱いてるだ。此処へ来たが、50年年目、運の尽きだ。逃がさ無ぇぞ。食べろや。
そうじゃないさ。俗世間の毒塗れで、垢汚れが好きじゃ無いから、俺は、こう云うのほほんとした『メルヘンの世界』が好きなんだよ。見て見ろよ。可愛いじゃないか。
 でもさ~、硬派中の硬派で、下手に馴れ馴れしく近付くと、殴られちゃう感じのR君に、こんな絵を描く趣味、才能が在ったなんて、吃驚だなぁ。文章も文才が在るわ。」

「本当は繊細なんだけど、男兄弟5人の中で育ったんで、本性を隠さざるを得なかったって訳でさ。多感期は、男は感性よりも『腕力』で、見せて居ただけさね。」

「R君は、表現がユニークで、テンポが好いねぇ~。何処で、身に着けて来たんだよ。驚いた。」
「でもさ、柵から解放されて、全部自由のマイタイム生活を送って居れば、俗世の垢も、メッキも落ちて、自分本来の生活スタイルが現われて来るだけの事でさ。好いペースの時間帯の中に生活出来て居るって、愉しんでる次第だわね。そっちもその口だろうが。」

「うん、分かる分かる。俺も、その境地でさ。残された人生を自分らしく、楽しく遣って行こうと思ってさ。同窓会に出れば好いのに。」

「そう思う事は在るけどさ。何かと人付き合いは、面倒臭いし、楽しいからと云って間口を広げて仕舞うと、漱石先生じゃないけど、『理に働けば角が立つ、然りとて情に竿させば流される。兎角、人の世は住み難い。』のが、娑婆の実態だからさ。
 時に多少の人恋しさは、在るけど。御蔭さんで、若い頃にケジメ、メリハリを付けて、海外見聞を広げといたから、遊びたいと云う気も引っ込んでてさ。女日照りにも『免疫力』が付いててさ、今じゃ『活仏様』だいね。ギャハハ!!」

「R君は、俳優に成ってもおかしくない美男子だったからな。女にぁ持てたし、スポーツも勉強も出来たしなぁ。ツルツルのスキンヘッドも、良く似合ってて、魅力が在るわ。
 あれだなぁ~、好い風に年輪を重ねて来たんだなぁ~。若いわ。表情、雰囲気、話し方で、それが好く解るよ。ペースメーカ付けてるけど、人間、長生きするものだぜや。元気溌剌な活仏を見たもんだ。アハハ!!」

「おっ、そうか。じゃあ、俺が帰ったら、仏壇に燈明、線香上げとけや。」
「おお、そうだな。○○寺の同期生マスコミ坊主より、R君の方が上だなぁ~。」

 お婆ぁちゃんも元気そうで在る事だし、世界史が大得意だったとの事。これは好い話が出来る。

 そんな次第で、お互いの趣味の知識を披露し合って、話に花を咲かせて帰って来た次第で在る。小中高と一度もクラスは一緒には為らなかったが、彼は如何云う訳か相撲部だったと云う。運動部繋がりで柔道部のT、剣道部のO、野球部のJJ、ラグビー部のTの話なども出て、男子番から高の振り返りも出来た。

 私には根っからの『天敵女』では在るが、彼女からは小中時代の面々の横断的情報源と為って居るらしく、中学の同級会では吾がクラスの出席人数は群を抜いての、他クラスの目標値と為って居るそうで在る。人繫がりとは、面白い物で在る。アハハ!!



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