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長駄文館・・・一プライド考為り。

                  一プライド考為り。(8/29/18)
     玄関に声で在る。行けば、これは珍客で在る。気の合ったYさの顔出しで在る。
「Rさ、学・教養の在る処で、一つご教授願いたいのが在るんだけどさ。」
「まぁ、上がりましょや。」
「勿論、その心算で来たんね。」

「何だい? Yさ。歳は俺より上じゃんかい。年長者の経験値を説得する知恵なんて、俺にぁ無ぇよ。『悪事に手を染めて、悪事から足を洗うとは如何に!!』なんて質問は、ご法度だんね。」

「やぁやぁ、あん時ぁ、面白かったねぇ。未だに目に浮かぶわ。流石の博識Rさのナニ~の『オドケ顔』でさ、徐(おもむろ)にさ、煙草を一本吸ってさ。解らんと音を上げるのを『観察』して居たんだけどさ。それが、頭ん中で答案のヒントを探してる見たいでさ。『して遣ったり』とほくそ笑んだ途端に。
『Yさ、小者は度胸が据わって無いから、思い切って悪事に踏み込め無ぇから、小手先を染めながらで、悪さ入門をする。その内、図に乗って善悪の感覚が麻痺して来て『小悪党』で獄門磔で終わる。度胸の在る奴は、我武者羅に両足突っ込んで、爆走して一人前の『大悪党』に上り詰める。
 でも、度胸と才覚が備わって無くちゃ、大物には為れない。度胸と才覚を持ったものは、何時かの時点で気が付く。『一念発起、改心』してすっぱりと悪事から抜け出す為に足を洗う。 
      小手先だけじゃ『重心』は未だ悪事の中だから、足抜きをして汚れた足を洗うんだ。
小者と大者の違いは、最初と最後の『重心の置き方』の違いだ。この説明でも解ら無ぇのなら、見込みの無ぇ小者だから、精ぜい石鹸で染めた手を洗ってろ」と来られちゃって、俺ぁ、ぶったまげちゃつた。
 俺は、時々、貫禄付けに若いのに話して遣ってるんだ。それをすると、俺の株が上がっちゃってさ。酒注いで来るんだわ。テレビなんかでは、アドリブなんて、低能児が学芸会遣ってるけど、アドリブで、面白おかしく説明しちゃう処が、『Rさ節』の凄い処だわね。へへへ。」

「そうかい、日本酒グビリと呑んで、目を据わらせて、東映やくざモードで遣ってるんずら。目に浮かぶぜや。えれぇ知恵を授けちまったモンだわね。困ったもんだぜや。あい~。今日は何だい? 法律相談、隠し子相談かい?」

「何を言ってるだい。人聞きが悪い。俺ぁ、女好きのRさとは違うんね。女はカカア一人で、ゲップが出てるわね。
 そうそう、今時の餓鬼の野郎は、横文字ばっかり使い遣がってさ。生意気で俺の言う事を全然聞か無ぇ始末で、頭に来ちまう。ケツの青い癖に、『プライド』なんて生意気な言葉使ってからに。あんな餓鬼どもにプライドの言葉を使われた日にぁ、英語も形無しだと思うんだけど、哀しいかな、俺にはRさの学・教養と説得力が無ぇから、酒が不味く為るだけでさ。
 昔みたいに、打ん殴る訳にも行か無ぇご時世だから、グゥの音も出無ぇお説教喰らわして遣ろらなきぁ、世の為に為ら無ぇと考えてさ。それで、お知恵拝借に来たって訳だわね。頼むわい。へへへ。」

「ったく、家にぁ、国語辞典と天眼鏡位ぇ在るずらよ。年下を只で使おうなんて料簡が、間違ってるぜや。自助努力の日本の美風は、何処に忘れて来たんじゃい。」

「何を仰います。俺とRさの仲じゃんかい。お互い老い先は、長くは無ぇよ。宝の持ち腐れは、駄目だんね。ゼロ金利時代だし、タマにぁ、陰干しも必要だんね。アハハ。」

「そう来たかい。Yさにぁ、敵わ無ぇわ。辞書引きぁ、プライド=誇り、自負、自信って訳だろうけどさ。やっぱり、日本人だったら『矜持』ってぇのを、真っ先にして貰いたぇもんさね。矜持を持って呉れば、イメージとして武士道の連想が働くってもんでさ。
 立派な武士の持つ精神性、行動を一言で表すと成れば、やっぱり矜持の凛とした語感に勝る日本語は無ぇずらよ。
 武士道のイメージは、文武両道の知と技、森羅万象の理、伝統と作法、情と寛容力って連想力が働く訳だしさ。努力・鍛錬・不動の精神力、行動力、潔さ・・・etcの日本の美の世界への誘いってもんずらい。
 従って、鍛錬回避、言高行低の餓鬼が安易に使用出来る言葉じぁアラスカ。未熟者、半端者が使ったら、単なる自惚れ言葉、生意気言葉、自意識過剰言葉、我言葉でしか無ぇわね。そんな輩の振り撒く息と云ったら、鼻もちなら無ぇ気位の高さ、狭量さ、傲慢さ、の匙投げってもんずらよ。横文字よりも、日本語覚えろやの『大和男児の一喝』を喰らわせて遣りましょや。」

「やや、この流れるリズムとテンポの好さ。Rさ節は錆付いちゃ居ないねえ。Rさはこうで為くちゃ、来た甲斐が無ぇってもんだ。はいはい、続けて。」

「酒も無いのに、御猪口注ぎかいね。あれだ。鍛錬過程の最初の関門は、我慢我慢の挫ける自分への『克己心』からのスタートだいね。克己する心と根性が、小さな我の葛藤過程を除去されて行く。小我の対極に在るのが、客観、公の道なんだろうし、鍛錬する過程で、弱きものへの労り、情も培われて来る。自分への潔さと他への寛容心も必然的に身に付いて来るって事じゃ無いのかね。
 それだから、日本人は昔から物事への道を究めようとして、剣道・弓道・柔道・野球道、書道に茶道、華道とその道を極めようとして居るでしょうに。詰まりは、どんな分野に在っても、求道精神を以って矜持・誇り・自負・自信を持った生き方を理想として来たんじゃ無いですかね。そろそろ、早場米の刈り入れずらい。森羅万象の理で、実れば実るほどに頭垂れる稲穂かな・・・なんて日本にぁ『名観察』が在らぁな。

 俺ぁ、日本人の一般論として、この位しか言え無ぇわね。後は学校の先生にでも質問して聞いてお呉や。へへへ。」

「やいやい、久し振りに、Rさ節を聞いて、堪能しちゃったぜや。聞いた事の無ぇ言葉がポンポン続いちゃったけど、概略と肝に為る言葉は、頭に叩き込んだ。
 今度、尻青餓鬼が無駄事ほざいたら、Rさ直伝の『戦国オオダヌキ』を抜いて、バッサリと一刀両断にして呉れるわ。ニャロメ!!
 でもさ、Rさは色んな難しい言葉がポンポン、スラスラと出て来るもんだ。並の人じゃ無いのは知ってるけど、頭ん中は如何為ってるだいね。向学の為に一度見たいもんだわ。」

「俺は玩具じぁ無ぇぞや。そんだけ勉強して、悩んで身に着けた言葉の解釈学だわね。鈍感で自助努力を怠って居る輩には、逆立ちしたって出来無ぇ茨道を歩んで来た者が体得する『経験知・経験値の賜物』だわね。何事も一夕一朝で、『一丁上がり』って訳には行か無ぇって事さね。あい~。」

「締め括りが、利いてるねぇ。ヨシッ、帰って忘れ無ぇ内に、PC保存しとくわ。こりあ、辞書引く宿題が出されちまったぜや。へへへ。マスターすれば、俺の株も上がるってもんだ。」

 Yさの顔出しは何年振りだろうか。歯医者嫌いで前歯は抜けた儘に為っては居るが、私と違って髪の毛はフサフサのロマンスグレーで在る。
 安曇野市の百姓家との由で、定年後は百姓仕事で健康的な汗を流して居るとの由。お従弟さんは瓜二つの二期目の市長さんで在る。
彼は野鳥撮影が趣味で気に入った写真をPCに保存して居る。若い頃から、山に登ったりのアウトドア派の晩酌派で在る。

 私は旅先で気に入った美人・美形さんの写真は撮る物の、普段は写真には興味の無い男で在る。その代りに、戯画を色鉛筆で描いて遊んで居る。

 お互いアウトドア派の実世間の人の噂話には関心の無い性質で在るから、番から気質が共通して居る。従って、一方的に饒舌に話した処で、後腐れがない処が好い次第で在る。

 極彩色の戯画の間でのコーヒーと煙草吸いに、Yさは毒気に当てられたらしく、最初はポカンと口を空けて居た次第で在る。そんな次第で、『Yさ、山の写真、白鳥の写真だけが美の世界じゃ無ぇぞ』とアドバイスをして、お見送りした次第で在る。

 マンネリ日々に埋没しての末端底辺貧民の暮らしでは在るが、私を思い出して安否確認の為に、顔を出して下さるご仁も居るので在るから、嬉しい物で在る。感謝感謝で在る。へへへ。

 Yさを見送って、シャワーを浴びて洗濯物を物干しに掛ければ、熱暑&知恵熱の発熱で、首タオルに裸ん棒で扇風機当たりをして居る内に、ついつい寝て仕舞った。いやはや、今年の夏は酷い物で在る。



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