FC2ブログ

記事一覧

雌金華鳥の報告。

                       雌金華鳥の報告。
  <その1>
◎飼い主が云うには、長い鳥飼い経験でも、私達は特異ケースだって。オホホ。

 私達って、隣市のホームセンターの、ペットコーナーの雄雌別ゲージからチョイスされたの。目利きの飼い主は、最初ゲージを見較べて、鳥数が少なかったので不満そうで、消極的だったわ。
 
★今日は外れだなぁ~。如何する。出直して来るのも面倒だし、飼って好い鳥にして見て繁殖して見るか。これも、御縁の一つだろうしな。

◎そんな品定めで、買われたんだけどね。それで20~30分、車の助手席で別々の紙容器に入って連れて来られたのよ。暫くして、鳥籠の支度が出来て、先ずは雄が、次に雌の私の容器の口が開いて、鳥籠の中に入ったワケ。駕籠で待って居たのは、雄鳥なのよね。ペットコーナーでは雄雌の別々のゲージだったんだけど、隣同士だったから、一応、見知っては居たんだけどね。元気な雄だったわよ。

 ミュウミュウ、ジュジュ、ミィミィと鳴いて来て、直ぐ様、私に交尾を仕掛けて来たのよ。満更知らない訳でも無かったし、お年頃だったんでしょうね。何か興奮を覚えて仕舞って・・・。

◎為り行きと云うか、これが本能の迎合なんでしょうけど。私も直ぐ様、幾分お尻を上げる様な水平態勢で、尾羽を水平に細かく左右に振って、盛り付く雄を迎え入れちゃったの。

 ほら、人間の言葉には、『花の命は短し』とか、『命短し、恋せよ乙女』なんて唄も在る事だしね。おほほ。これって自然の成り行きでしょ。

 私達鳥族の交尾は自然界の弱小種族だから、何時も外敵を想定しての、雄が雌の背に乗るショート行為に為らざるを得ないのよ。直ぐに私の背から滑って落下しちゃって、全く不安定この上ない刹那乗りなのよね。

 おほほ、実際問題、大変なのよ。そんな私達鳥族の不安定交尾は、回数を繰り返す事で成立するって訳よね。はしたないとか恥ずかしいなんて云って居たら、弱小種族は命を繋げないのよ。分かるでしょ。

 童貞雄クンは、暫くは狂った様に、背に乗っては落ち、落ちては背に乗る交尾を繰り返すんだけどね、私だって処女の初交尾でしょ。形振りなんて、二の次なのよね。お互い、良く頑張ったわよ。

   雄クンも精を出し尽くした見たいなの。何か嵐が去った様に、大人しく為っちゃったわ。

 次は、新居の探索よね。落ち着けば、探索役は雄の仕事なのよ。雄クンは何度も藁巣に近付き、外から内部を観察して居る。私はその間、雄クンの動きを観察しながら、餌を食べたり、水を飲んだりして、報告を待った訳よ。

     これって、生まれ付いた時からの雄と雌の『役割分担』なのよね。ふふふ。

 危険の無い事を確かめる様に、中に入ってサッと出て来る。何度かそんな事を繰り返して、私を中に誘った訳よ。分かる?

◎私達鳥族の番いの結びは、交尾だけじゃ無いの、交尾なんて、本の微々たる行為なのよ。交尾をして、巣を探して巣を作って、産卵、抱卵、育雛をして子供達を巣立たせて、次の繁殖を迎えるのよ。自然界じぁ、私達雀類は圧倒的に弱者なのよね。それで子孫を残す為に、多産で繁殖回数の多さで、子孫を残して行くのが、私達に課せられた『一生の仕事』なのよ。

   傍目で見て考えるのと違って、生きる事は殖やす事なのよ。大変な一生なのよ。本当よ。

 籠の上部に位置する使い回しの藁巣は、巣立った懐かしい造りで在る。一緒に入って、内部を赤い嘴で突き回して、強度を二羽で確かめ合う。日が没して、二羽で藁巣の中に入って寝る。

           ◎それが、私達が番いを組んだ初日の出来事だった。

 卵から孵化して藁巣を巣立って、初めて血縁の無い雄と雌が同じ藁巣の中で、身体を寄せ合って寝た初夜で在る。雑居籠の止まり木の上に、距離を置いて寝るのとは違って、寄せ合うお互いの体温の温もりの中の、安心と居心地の好さと塒(ねぐら)の暖かさで在った。

◎そうそう、自己紹介が遅くなっちゃったけど、夫は色模様がはっきりした原種タイプで、女房の私は、『人間の改良』が入った全身が薄いシナモン色の毛色なの。覚えて置いて。

◎翌日は、夜が白んで藁巣の中から出ると、サッシからは自然感溢れる庭木の多い庭に、小紫、黄、白の小菊が咲き乱れて居て、静かな廊下に私達のマイホームが置かれて在ったわ。外では常連らしい雀達、ヒヨドリが来て居てね。シジューカラも顔を見せて居た。

◎ほら私達は、ブリーダーと云われる専門飼育者に繁殖目的で雑居飼いされて居て、巣立つとペットコーナーの雄雌別々の雑居籠に入れられての生活だから、環境としては屋内なのよね。サッシ越しでも野外感覚が在るから、やっぱり何か自然の中に居るって感じで、落ち着くのよね。

 落ち着いた感じの新番いの様子を見て、飼い主が麻紐をハサミで適当な長さにカットして、撚りを解して、籠の中に入れて見る飼い主で在る。

◎それをね、夫と為った雄が、嘴に咥えて巣作りを始めて呉れたのよ。私も番いに為った女房だから、夫だけに任せて置く訳には行かず、お手伝いをしたわ。ふふふ。

◎私は藁巣の中で、夫が運んで来る巣材を受け取って、藁巣の中に産座を作って行くんだけど、初めての経験だから、中々思う様には運ば無いのよね。或る程度の巣材が藁巣の中に入ると、夫が入って来て、『俺がする』と云って内部の工作を始めて行くのよ。・・・そんな家作りだった訳よ。そうね、若鳥の初婚で、要領が分からないんだけど、これもマイホーム作りの楽しさって訳なのよね。アハハ。

◎初対面の時は、有無を言わせずに私の上に、狂った様に乗っかって来た雄で、先が思い遣られると心配したんだけど、優しくて働き者の性格の様で安心して居るのよ。私達をチョイスして呉れたのが、飼い主だから、その点は仲人としての目利きが在った様ね。おほほ。

    ◎私の方は、昨日の初交尾の影響か、お腹の具合に重さを感じて居るのよね。・・・。

 家の廊下の真ん中に、籠は置かれる事に為った。初日は飼い主が外気に当てて、逞しくさせ様と軒下に吊るしたのだが、早々に小型の猛禽類モズの知る処と為って、安全の為に、廊下飼いを早々に決めた様で在る。飼い主の監視下に在る時は、廊下の戸は開放されて居るが、飼い主が部屋を移動する時は、開放から網戸の隅開けとして居る。

◎まぁ、これらの注意は、飼い主の経験から来る猫、モズ対策なんでしょうが、好い飼い主に当たったと云う訳よ。新環境には夫も私も満足って処かな。おほほ。

<その2>
◎その翌日、私は初めての産卵をしたの。それは、ちっちゃな白い卵だったわ。初産だったけど、夫も嬉しいみたいで、早速、抱卵して呉れたわ。それよりも、飼い主が驚いた見たい。

◎ペットコーナーから買って来たその日に、飼い主の目も何んのそので、交尾を仕捲って、その翌日に産卵して仕舞ったでしょ。人間界では『早産』の口よね。でもね、初交尾・発産卵で私の方だって、頭の整理が付かないんだもの。アハハ!!

★おいおい、お前さん達、早過ぎるだろう。物事には順序と期間が必要なんじゃい。それにしても何とも小さな白卵では無いか。初産には小さくて卵詰まりも無く、すんなりと産み落としたんだろうが、見るからに未熟卵その物だ。

★初回産卵は抱卵失敗、二回目は孵化しても給餌に至らず、三度目の正直で進むのが、観察経験と云うもんじゃ。お前さん達、若いのは解るが、余りにも早熟が過ぎるわな。まぁ、これも好かろう。負けて覚える相撲哉の言葉も在るからして、失敗して覚えて行くのが、『番いの道』でも在る。先は長い。焦らずに行くのが、成功の元だわさ。へへへ。

◎それがね・・・。夫が真面目で、黙って居ても自分から抱卵役を買って出て呉れるのよ。それで私、全然苦痛も無く、卵を3個産んじゃったのよね。ふふふ。

◎番いを組んだから、私だって全てを夫に任せ切りと云う訳にも行かないでしょ。『夫唱婦随』で、未知に向けての『協働抱卵』が緒に就いた訳なのよ。応援してね。

◎抱卵するにはさ、鳥族は卵に直接体温を伝える為に、腹の羽毛を割って、包み込む様に抱卵し続けるのよ。抱卵して、何日目だったかな・・・。卵の中から、微かな鼓動が伝わって来たのよ。私は、夫に『ちょっと来て』と鳴いて知らせたのよ。私に替わって、夫がお腹の羽毛を割って、卵を抱いて、『ああ、分かる分かる』と頷いて呉れたのよ。

★う~む、何だ、妙に甘たるい声を出して、丸で卵に話し掛ける様な声では無いか? ホンマかいな。後で卵の色を確認して置くか。

 飼い主の長い経験から観て、『筋の好過ぎる番い』で在る。何度か藁巣の中を覗くが、雄も雌も一切外に出ようとしない。そんな2、3日後の掃き掃除の折に一瞬、巣の中が留守と為った。これ幸いと飼い主は、鳥籠を持ち上げて、藁巣の中を見る。三個の卵の二つが黒づんで来て居る。シメシメの有精卵の成長を見せて居る。

★ほぉ~、これは上出来では無いか!! これはひょっとすると、ヒョッとするかも知れない。え~と、孵化するには抱卵14日を要する。すると、20日前後が孵化予定日と成る。次の関門が、孵化児に親が給餌出来るか否かで在る。筋宜しく健気な番いで在るから、何とか成功の運びと為って貰いたい物で在る。遺憾いかん・・・期待し過ぎると落胆が大きく為る。経験統計に従うのが、『歳の弁え』で在る。

◎日に日に、卵からの鼓動が強く成って来て、その内、内部の動きが感じられて、夫も私も、『早く~』で抱卵交代が楽しく成って来るのよ。夫は雄だからなんだろうけど、抱卵中も何かと巣材を見付けて来たり、巣の内部を嘴で直したりして居る『凝り性タイプ』だから、笑っちゃうのよね。アハハ!!

 <その3>
◎とうとう、その日が来たの。私達は初めてでしょ。私の抱卵中に、卵の中から丸裸の赤ちゃんが出て来たのよ。初めての事だから、直ぐSOSを発して、夫を呼んだの。そしたら、『任せろ』と云って呉れたの。

◎嬉しかった。正直に云って、私は如何したら良いか、全然分らなかったのよ。夫の給餌を見て覚えて行ったのよ。抱卵も夫に教わった訳で、生物界の雄は頼りに成る存在なのよね。おほほ。

◎そうそう、飼い主は孵化日を計算して居た見たいで、廊下に胡坐を掻いて、何時に無く藁巣の中を覗いて居たんだけど、初繁殖の私達を気遣ってか、長覗きは抑えて居た様だったわ。ベテランの飼い主の様で、安心出来るんだけどもね。ふふふ。

★親の吐き戻し動作が確認出来るから、最後の関門はクリアされつつ在るのだろうが、何とか雛の姿を目視して安心したいのだが、全然見えない。興味心は益々膨張するが、何しろ初繁殖で在る。ロートルの分別として、チャンスを大人しく待つしか在るまい。雄も雌も、父親、母親に為る分水嶺ぞ。頑張れつちゃ~!! へへへ。

 待つ事2日、飼い主に漸くチャンスが訪れた。藁巣には2匹の孵化児と白い無精卵の卵一個が在った。それから、数日して飼い主の子供ファミリーが遊びに遣って来た。物珍しさに被り付きで覗き込む幼児2人に、飼い主が大事な時期だからと『注意』を与えて、鳥籠を廊下の奥に置いた次第で在る。

◎孵化児の2匹の成長って凄いのよ。親の私達の想像を遥かに超えて、見る見る内の猛スピードなのよね。私達は飼い鳥だから、全てが小さな鳥籠の中で調達出来るから好い様な物なんだけど、これが野生界だったら、自分の食べる物だって、育児中は儘為らないのにね。ご先祖さん達は、大変だったと思うもの。物は考え様で、自由に空を羽ばたく自由は無くしたけど、ここには安心安全な暮らしが在るのよね。

◎子供の成長に合わせて、飼い主が砂を容器に入れて呉れたわ。散歩のお土産として、ハコベを入れて呉れる様に為ったの。私はハコベの葉を突付いて、子供達へ。夫は大工仕事が大好きの様で、ハコベを巣材代わりにして、巣の中を隠す様にして巣の前に積み上げて居るわ。夫にしたら、少しでも吾が子の安全を願って、『隠して置きたい気持ち』が先行して居る見たい。

◎鳥にもそれぞれの性格、性分と云う物が在るから、色々云って見ても始まらないんだけど、『飼い主さんは出来た御人だから信じて、少しは、落ち着きなさい』と云って遣りたいんだけど、私は抱卵、給餌にしても、夫から教えて貰ったから、黙って居るんだけどね。おほほ。

 <その4>
◎子供達も日に日に大きく成って、それにこの処の日中は、季節外れの暑さでしょ。藁巣は断熱、保温効果が大きいでしょ。上の子には産毛から羽毛に替わって来て、目を開いて来て、足も踏ん張れる様に為って来て、子供同士がくっ付き合うだけで体温維持が出来る様に為って来たの。それで、日中の暖かい時間帯は、そんなに温めて遣る必要も無く成って来た段階なのよ。

◎勿論、育ち盛りの子供2羽だから、給餌の回数、分量は、赤子の時と比べたら、半端じゃ無いけど、私達には自由な時間が出て来て、水浴びをしたり、止まり木を往復飛びをしたり、夫は囀りダンスをしたりで、長い抱卵、孵化児の世話で運動不足に成って居た分のリラックスと飛び回りを復活させて居るんだけどね。子育てって、苦労も在るけど楽しい物よ。アハハ。何か、人間界じゃ苦痛事らしいけど、それってオカシイと思うわよ。

◎お天道さんが傾き始めると、さっと気温が下がって来るから、私達も藁巣の中に入って、夜を迎えるんだけどね。

★おうおう、朝か。雛の奴も大きく成って、すっかり餌強請りの声が大きく、忙しなく為って来たもんだ。『朝の目覚まし』って具合だな。飼い主の俺は、夜更かし派だから、もう一寝入りして、好い夢を見るべしで在る。

 飼い主は起きると、一日のスタートに全戸開放しての空気の総入れ替え&掃き掃除をして、午前中の時間は小部屋に居たり、廊下の日差しの中でラジオをBGMに頁捲りをしたり、マンドリンを鳴らしたりして居る。トイレの往復時に、藁巣を覗いて行ったり、廊下に胡坐を掻いて、暫く金華鳥ファミリーを観察して行く。午後の暖かい時間帯は鳥籠の置いて在る廊下の六畳で、歌謡曲テープ、歴史朗読テープをBGMに何かをして居る。

 幾ら朝飯が遅いと云えども、オヤツ時間帯には小腹が空くらしく、パン、果物、ラーメン、駄菓子を『間食程度』に腹に入れるだけで、奥の部屋のコタツで一時間弱の昼寝をする。そして夕刻前に散歩に出掛け、早目の晩飯を食べて四畳半の住人と為って、夜更かしをすると云った生活を送って居る。

 所謂細々とした年金生活者の一人だが、時間、生活にフリーハンドでして居る閉じ籠もり者で在る。目立たないが、それなりの時間割を持っての生活は時々、それなりの談笑も在って、『居心地の好い日々』を送って居る様に見受けられる。

◎私達の籠は六畳廊下の定位置に置かれて居るから、飼い主の日常は『限定的』に見えるんだけなんだけど、静かな物なのよね。掃除をして廊下の鉢植え物に水を遣ったり、廊下で本を読んだり、買い物、散歩に出掛けたり、洗濯物を干したりして、時間をマイペースでうまく使って居るって感じなのよね。

◎勿論、私達は『鳥目属』と云われて居る様に、薄暗く成ればさっさと藁巣の中に入って仕舞うから、夜の事は全然分らないんだけどね。人間には人間の生活サイクルが在るんでしょうけどね。ふふふ。

◎そろそろ、飼い主が起きて来る頃だわ。あっ、出て来た、出て来た。今日も元気そうだわ。おほほ、お早うさん。

★どれどれ、如何かな。おお、大きく為ったなぁ。上はすっかり羽毛も羽根も出来上がって、親並の形じゃ無いか。チビの方は如何だ? おうおう、パッチリ黒眼も開いて、可愛く為って来たな。好し好し、順調な育ち具合だ。ちょっと待って居れ。庭からハコベを摘んで来て遣るわさ。

 飼い主は庭サンダルを引っ掛けて、落ち葉の地面にへばり付く朝露に濡れたハコベの先を幾つか摘んで、縁側に腰掛けて籠に入れて遣る。直ぐ様、親鳥が底に下りて来て、チッチ、チッチと鳴いて、小さなハコベの花、葉を突付いて食べ始める。飼い主と親鳥は至近距離の間柄で在る。

★そうか、お前達も此処に来る前は、若鳥だったんだからな。身体も逞しく為って来たし、大人に為ったじゃ無いか。好し好し、健康優良児だわさ。

★如何だ。新鮮で美味いだろう。子供を大きく元気に育て上げろよ。上の子は、一両日には巣から出て来るだろう。下チビは上に追い付くまでには3日って処だろうな。

★おお、そうかそうか。羽根がツンツン伸びて来て、皮膚が剥けて来て、痒いと見える。盛んに脚で掻き捲って居る。人間で云えば、日焼けで皮が剥けるのと同様なのだろう。脚が確りして来て、立ち上がる事も、脚を使って痒い処にも届くか。藁巣の2匹が勝手に動き回って呉れるから、労せずして良く見える。何事も順調の運びって訳だ。ハハハ。

★巣から出て、自分で食べる事を覚えて、黒い嘴の色が褪めて来て、第二次性徴で雄は囀りのぐずりを見せ始めながら、頬、胸、脇腹に雄模様が現れ始める。上と下に雄雌の区別が現われて、どんな毛色に成長するのか、これが飼い主の愉しみじゃがな。

★子供達が一本立ちすれば、親の本能として子供達は排除の追い立てられをして、親は次の繁殖に向けて交尾を始める。そう為れば、飼い主は籠分けをして遣らねば為らない。お安い御用だから、早く立派に育つべしで在る。

◎おほほ、そうだって。流石に飼い主さんは、何度も経験して居るベテランだわよね。

◎私達番いを観察して、『筋と相性の好い金華鳥』って云ってたけど、初交尾で発産卵、初抱卵、初飼育も峠を越して、自信が付いた事だし、二回目は5~6個の産卵をして、飼い主さん期待の『羽根色のバリエーション』で応えて遣る心算よ。おほほ。

 <その5>
 灰色雲の割れ目にお天道さんの眩しさを映して、青空の顔見せで在る。飼い主は二畳小部屋のコタツに胡坐を掻き、廊下からは雛達の給餌を強請る声と、雄のミュウミュウ、ジュクジュクの囀りが聞こえて来る。廊下の目透き板の並べられた冬越しのアザレア、シクラメン鉢には、未だ日が差し込まない朝飯前の静かな空間で在る。

 飼い主は煙草を一服して、朝飯の用意に台所に立つ。熱々の塩の利いた焼き魚を箸で骨を除いて、漬け物で炊き立ての飯に、ネギ、豆腐、ワカメの熱々の味噌汁を啜りながらの飯を頬張る独り食卓で在る。

 廊下の小さな鳥籠からは、雛達の餌強請りの声が一段と大きく為って居る。僅かばかりの風が、小窓を叩く師走初旬の朝で在る。一か月前の、飼育当初の盛りだった小菊の群れの色彩りは刈り取られ、庭は常緑樹の枇杷には産毛に覆われた白い小花の重ね咲き、南天には紅の実のたわわさで在る。

★昨夜はPC動画から、好い映画を掘り出した物で在る。日活映画『警察日記』の存在は知って居たが、とうとう観る事が出来た。
何でもワンタッチ快適生活の現代では活字、カラー映像だけでは、到底時代の臨場感を共有出来無い。時代には、それぞれのテンポとトーンが存在する。敗戦後間の無い、『日本の時代感』を共有出来た。

 役者陣も盛り沢山で充実して居たが、嬉しい事に何れも『臭い演技』が無かった。云う為らば、演技の気負いを全てカットした処に、この名作が誕生したのだろう。

 為るほど、『時代をスケッチする抑え』が、警察日記を『伝説の名作』として居たのだろう。大人の役者陣の抑え演技の総体が、子役の二木てるみに『凝縮』して冴え渡って居たのだろう。泣けたねぇ。

 昨今は何でもかんでも、商業主義の『針小棒大』の我を張るばかりの一過性に出した時代で、カルロス・ゴーンに、亡国策移民受け入れ・・・etcの上面のみの騒々しさだけで、明け暮れるばかりの小煩い世の中で在る。『画竜点晴』を置き忘れて仕舞った下品極まりない御時世で、ロートルは身の置き所の無さで在る。伝説の名画に、申し訳の無い限りで在る。

 朝の一時の陽入りも、薄い曇天に被されて仕舞った。飼い主は食後の茶を飲んで、掃き掃除が済み、洗濯物も干した全戸開放の廊下、窓を閉めて回る。廊下では、給餌声が元気に響いて居る。庭サンダルを突っ掛けて、ハコベの先を摘んで、鳥籠に投入して、暫しの金華鳥達との対面をして居る次第で在る。

◎飼い主さん、新鮮なハコベ、子供達が大好きなの。何時もアリガトさんね。助かるわ。おほほ。

★そうかそうか。礼には及ばぬ。初仕事、好く頑張ったなぁ、もう一踏ん張りだ。

                    飼育観察記・雌金華鳥の報告・・・完
                            2018/12/4 by アガタ・リョウ



スポンサーサイト

コメント

^^

むかし。文鳥を飼っていました。手乗りとして育てました。エサをやる際。絶えず「口笛」を吹いておりました。やがて大きくなって。室内に放つと「口笛」を吹けば手元に戻ってくるようになっていました。

ある日。文鳥は開けた窓から逃走。探したら松の木に止まっていました。「口笛」を何度か吹いてようやく手の上に乗ってくれました。

しかし。またまた窓から逃走。すでに消息不明。見つけることができませんでした。そして文鳥を飼わなくなりました。すでに3羽目だったからです(他は猫に襲われ・及び逃走)

鳥を飼うのは哀しいです。

逢いたさ見たさに 恐さを忘れ暗い夜道を ただ一人 逢いに来たのに なぜ出て逢わぬ僕の呼ぶ声 忘れたか あなたの呼ぶ声 忘れはせぬが出るに出られぬ 籠の鳥 籠の鳥・・・・

介護の仕事をしていた時。よく歌っておられました・あの婆さん。

No title

              waravinoさんへ。
 こんばんわ。本日は例年通りの師走の寒空と、夜の冷え込みが始まって居ます。

 そうですか、手乗り文鳥を遣ってましたか。世代ですねぇ。それにしても当世ペット事情は、座敷犬と猫の銘柄状態で、育った時代との文化差を感じて仕舞う次第です。
 生活が豊かに為ると、如何しても過保護化に繋がって、過保護一期生の我が儘世代が、親と為ってペットを過保護して行く…そんな処が、人間文化の進みらしいですね。

 それでも、生まれ育ちが悪かった所為で、当世ペット飼いには馴染めず、昔ながらの態度で鳥飼いをして居ります。

 明日のブログ投稿文として打った次第で在りますが、何と師走のシマヘビと遭遇致しました。こんな経験は初めてで在ります。冷え込んで来た師走の夜に、シマヘビや如何にの段でも在りまする。へへへ。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

アガタ・リョウ

Author:アガタ・リョウ
FC2ブログへようこそ!