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長駄文館・・・父親代行する小童子為り。

                父親代行する小童子為り。(1/3/19)
 4時前起きで朝を済ませて、一寝入りして起きると、藁巣の親鳥の据わり方が正面から横に変わって居る。孵化したか? 廊下の散らかしを箒で掃いて、若鳥籠を持って小部屋で観察する。雄には頬に続いて、脇腹に茶の微かな色を発見する。胸の縞模様の兆しに目を凝らすが、変化無しで在る。

 一応の備忘録として、第二次性徴出現の順番を記して置く。雄は愚図り発声⇒頬⇒脇腹⇒胸文様と進むので在ろう。雌はそれらが無いから、目の下の黒い線が濃く為るらしい。嘴は成長すれば、雄雌は赤の濃淡に現れるだけで在る。

 トイレに行く途中、少ししゃがみ込んで藁巣の中を覗くと、蠢く雛2匹が見えた。形の揃った5卵で在るから、次から次と孵化して行くのだろう。嬉しい反面、煩く為る事だろう。もう一度確かめようと、廊下に胡坐を掻いて居ると。

「お爺ちゃん、お父さん具合が悪いから、置いて来たよ。」と云って、またまた肥満度を増した小童子が、廊下から入って来た。下チビを抱いた嫁さんが、続いて来た。

「おっ来たか。雑煮を作るか。」
「お父さん、その心算で来た。これ、お餅とチョコレートです。」

 仏間のストーブを点けて、電気カーペット、コタツをONとして私は台所に立つ。杵突き餅の袋には、黒々とした海苔もワンパック入って居る。

「お爺ちゃん、マッチ火が付かないよ。遣ってよ。」
父親は下チビの風邪を貰って、酷い下痢状態でダウンして居るとの由。R家の男はからきし風邪には弱いタイプで在るから、それも仕方在るまい。思えば子供の風邪の移りで、一家総風邪で寝込みの年末年始を送った事も在った次第で在る。父親が居ないと代理するのが『自分』の自覚が在るらしい。へへへ、好い事で在る。

     配膳の間、小童子兄弟は私の部屋の廊下に正座して、若鳥籠を覗き込んで居る。

 餅が焼けて、具沢山(ゴボウ・人参・レンコン・タケノコ・カツオ・ブナシメジ)の雑煮汁にナルトを載せて、薬味に刻みネギを添える。ニンジン・ダイコンのなます、酢レンコン、戻し身欠きニシンと昆布の炊き物、貝紐とアサリ、刻み昆布の柔らか煮締め、大根、人参、牛蒡、筍、皮剥き里芋、揚げ、コンニャク、豚肉の煮物、硬大根の沢庵漬けの並べで在る。

「お爺ちゃんの雑煮は、やっぱり美味しいね。タケノコさんも、キノコさんも、レンコンさんも美味しい。煮物さんのゴボウさん、ニンジンさんも、柔らかくて美味しいよ。アゲさん、コンニャクさんも味が染み込んで居て、お爺ちゃんは、本当に料理上手だね。凄いわ。うんうん、美味い美味い。」
「爺じ、おいちい。ねえ、にいに。」

    左様で御座るか。確り舌にR家の雑煮、煮物の味を記憶して、味を再現すべしで在る。

 いやはや、倅ファミリーは、妖怪様譲りのR家の正月料理を食べないと、正月では無いとの由。今年の沢庵漬けは倍の柿皮を投入して、漬け込みの早さと、暖気の影響で発酵速度が速まって、やや酸味を来して居る次第で在る。

「お父さん、全然大丈夫。酸味を引いても充分な甘みが在って、美味しい。」
「おぅ、そうかい。じゃ及第点だから、帰りに一杯持って行ってよ。」

   小童子兄弟も信州子で、沢庵大好きの口で在る。小童子は、大人顔負けの大胃袋で在る。

 食事が済んで、寒くて外では遊べないから、四畳半からPCを持って来て、ドラえもん映画を見せる。続けての視聴で、小童子兄弟は画面に一喜一憂しながら、被り付きで見入って居る。何も机の上の宿題だけが勉強では無い。アニメ漫画から学ぶのも、立派な『勉強』で在る。私の小童子兄弟の観察は、集中力と持続力に就いての耐性で在る。

「好かったなぁ~。それだけ集中して見て居られるんだから、それ程の馬鹿じゃ無い。馬鹿は、そんなに集中して、長くは見てられんから、大丈夫だ。あれだろう、通信簿貰って来ただろう。何か、云われたか。」

           小童子は、『聞こえない振り』をして居る。アハハ。

「お父さん、道徳点が好いって、先生に褒められました。他の子と違って、別の視点から見る事が出来るって云ってましたよ。」
「道徳点が好かったか。そりぁ『勉強する価値』が在るぞ。人間は情の下に知だから、道徳点が下なら、そんな奴には勉強させる必要なんか無いからな。そんなのが勉強した処で、精々が『点取り虫の自己中人間』に為るだけの事だからな。自然体が、一番の説得力さな。好かったなぁ、その内、爺ちゃんがスパルタ遣って遣るわさ。
 小学校程度で、家に帰って勉強なんかする奴は、見所が無い。小中学校程度の物は、授業中に覚えろ。覚える勉強なんか、繰り返し『思い出す訓練』を身に着ければ、如何にか為るもんだ。
 机の上で無くても、頭の中で思い出す訓練は何処でも出来るからな。昼休み、学校の行き帰り、トイレの中でも、寝る前の布団の中だって出来るぞ。あれか、学校から帰って来ると、疲れて小一時間寝るか?」
「疲れて、寝てます。2、30分寝ると疲れが取れるみたい。」
「ほう、そうかい。そりぁ見所が在るわ。好かったなぁ、お前、俺の血を引いてるかも知れんぞ。俺が耄碌する前に、小童子、伸びて来い。アハハ。」
「お爺ちゃん、俺、馬鹿じゃ無いよ。」

 小童子兄弟の面倒は、ドラえもんに任せて、嫁さんと色々話を交わして笑い在った次第で在る。嫁さんと下チビが横に成って居る間に、小さい漬け物樽に大根2種を風味が劣化しない様に糠を入れる。雑煮を食べれ無かった倅にタッパに入れると、丁度満杯に収まった。これでドンピッシャリの『完食』で在る。煮物以外は、倅用に全部お裾分けをして、母親、妹さんが大の吊るし柿好きと云うから、一缶をタッパに入れる。

                   冬は、釣瓶落としの様で在る。

「お爺ちゃん、俺が持つ。」引き返して来た小童子が、倅用の雑煮汁のタッパを持って行って呉れた。流石に道徳点は上らしく、親父が居ないと俄然と『自発性』を発揮する。面白い物で在る。何処と無く、私、倅の小さい頃と似て居る次第で在る。

「お爺ちゃん、好いお年を~。」
「馬鹿!! それは、3日前まで挨拶じゃい。」
「あっ、そう。じぁ、今度はお父さんと来るからね。お爺いちゃん、美味しかったよ。」
「じじ、おいちかった。ありがとう。バイバイ、またくるからね。」

「お父さん、御馳走に成りました。美味しかった。一杯貰って、助かります。」
「礼なら、妖怪様に云っとけや。俺は婆さんの後を引き継いでるだけだぜや。」
「お父さんの雑煮食べれるから、喜ぶと思います。」
「うん、じぁな。アリガトさんよ。」

 さてと、正月3カ日も済んで、明日は白い飯が食べられる。洗い物をして米を研ぐ。洗濯物を取り入れて、自転車でスーパーまで行って、明日の月命日のお供え物&煮物汁の具を買って来る。いやはや、背中がゾクゾクとする寒さで在る。湯たんぽも寝床にセットしてのマイタイムに移行する。

 明けて、妖怪様の月命日で在る。今年初めての寝具干し、全戸開放の空気の総入れ替え&掃き掃除をして、仏壇に向かう。ゴミ出しに出れば、小さな雲一つの日本晴れに白銀に輝くアルプスの縦貫のパノラマで在る。

 ゴミ置き場は、ギュウギュウに詰められた二段の重ねで在る。飯の炊けるまでの間、小部屋のコタツ当たりのモーニングコーヒーの一服とする。

 冬子は寒さに消極的と思いきや、羽毛の伸びが早くて、動きが好いでは無いか。勿論、親鳥が巣の中に居るから、全体を覗き見する事は出来ない。卵が2個見えるから、引き算すれば、3匹が孵化した様で在る。

 無風の日本晴れに、穏やかに差し込む陽光の柔らかさで在る。へへへ、これもお天道さんの新年仕事始めへの賜り物で在る。さてさて、納豆に、鮭を焼いて、頂戴した海苔で、通常食と致そうか。



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